すっかり投稿がご無沙汰になってしまいました。つい先日、標題のゲームをプレイすることになり、2年前のプレイを記事にしました。
1930年代、分裂したアメリカは輸送を航空機に頼っていた。
そこは、空賊と自警団の世界、ヒーローとヒロインの世界だった…
”分裂したアメリカ”の設定を持ったゲームですが、南北戦争でも、Car Wars(SJG)でも、Shadowrun(FASA)でもありません。
パルプマガジンの世界観で作られたゲームです。パラレルワールドの北米大陸(サプリメントで世界各国登場)が舞台です。
また、飛行機のゲーム…ですが登場する飛行機は空力的に妙です。「厳密な空戦ゲーム」ととらえず大らかに接することが肝要です。パラレルワールドですので、もちろん仮想設定です。
空戦ゲームとして見るべきところは、移動ルール。たいていの空戦ゲームの移動は、「行きたいへクスへ到達できるように、プレイヤーが上下機動や旋回、マヌーバーを考える」ようにルールが作られていますが、このゲームでは「行きたいへクスに行けるかどうか」はテンプレートで一目瞭然です。そのへクスと起点へクスとの位置関係によって決まる、要求される荷重(いわゆるG)がテンプレートに記されています。そもそも移動できない位置もあります。
例を見てみましょう。
箱絵(本記事トップ)で飛行船を攻撃しているのは「フェアチャイルドF6Ⅱ ブリガンド」です。
移動テンプレート |
ところが、パイロットの腕次第では、機体により認められていなくても"プッシュ"と呼ばれる判定に成功すれば実施できるのです!爆撃機でインメルマンターン(1SD)をさせることもできるのです!
そう、'30年代では、世界には未知のものが多く、パルプマガジン全盛の時代でした。ヒーローとヒロインの世界です。このゲームのマニュアル類は、パルプマガジンの体裁をとって作られています。ルールブック、飛行機カタログ、設定(北米の状況と、著名な自警団/空賊とシナリオ)の3冊からなりますが、パルプマガジンっぽい表紙デザインが"粋"です。
写真右手前、冊子3冊の中央の表紙を飾る女性が、空賊の首領である「Black Swan」です。
Wing over Manhattan(左側) |
キャンペーンを行って(時々、設定を活かしたオリジナルシナリオも作って)、パイロットの成長と仮想世界を想像するのが楽しみ方なのでしょう。
この日はゲームを紹介しつつお試し1回、シナリオ1回をプレイしました。
●シナリオ Swamp Gas
トーネード |
サプリメント「Airmen's Gazetter」掲載のシナリオ"Swamp Gas"を5人(空賊3対政府側自警団2)でプレイしました。
テキサス政府のガソリン輸送列車を空賊が襲います。政府側は戦闘機(モラーヌ・ソルニエ"トーネード")2機。空賊は4機(軽戦闘機(フェアチャイルド"バンディット"と"バッカニア"の2機+重戦闘機ボーイング"サンドヒル"2機)。ガソリン車を破壊せずに列車を止めて政府側を撃退すれば空賊の勝利。
サンドヒル |
バッカニア |
バンディット |
ダメージテンプレート |
命中したら機体構造のマス目を塗りつぶしていくのです。エンジン、エルロン、など内部構造にダメージが及ぶと性能が低下します。前部から後部に塗りつぶされたマスが通ると、機体が分解して墜落します。
ダメージを記録 |
政府側は、空賊の護衛戦闘機1機を撃墜、1機を戦闘不能(全装備を破壊)したものの、最後は機銃は全て故障、ロケット弾も使い切り攻撃力を喪失。空賊の勝利となりました。
(なお、ペーパークラフトを組み立てるユニットが付属していますが、保管と輸送に難儀するので私はユニットを自作してプレイしています)
また、世界観やルールを、より簡潔にわかりやすくbqsfgameさんが紹介してくださっています。