■ルーンバウンド (FFG)
----------------------------------------------------------
静かになった。
イェーズは、骸を見上げた。
彼の前には、巨竜マーガスが死んで横たわっている。彼の魔法が炸裂したしるしが残されている。
マーガスが吐いた炎も、イェーズの半身を焦がした。
両雄は互いの身体におびただしい痕跡を刻みこんだが、それも終わった。
マーガスがこの地にもたらした災厄は、これ以上広がることは無いだろう。
イェーズがくいとめたのだ。多くの英雄がマーガスに立ち向かったが、マーガスにまでたどり着いた者はいなかった。
この険しい山地に踏み込み、マーガスを見出せたのはグリフォンの助けあってのものだった。
冒険を共にした他の仲間は、命を落とした者も袂をわかった者もいたが、グリフォンは最後まで付き従った。
グリフォンの翼で山地を越えられた。最後の戦いも共にした。
マーガスの鋭い巨大な爪がイェーツを引き裂こうとした瞬間、割って入ったのもグリフォンだった。
イェーズは立ち上り、亡骸を見下ろした。
彼は一人で山を下り始めた。
麓の世界は、静かになっているだろう。
----------------------------------------------------------
?年ぶりのルーンバウンド。いやぁ、時間かかり過ぎました…ルールの復習が小一時間。プレイ時間だけで、6時間かかって(末尾※参照)しまいました。
今までのプレイでは、「プレイヤ1名ごとに1時間(4人だったら4時間)」くらいだったので、1.5倍…
ゲームそのものは楽しいです。RPG感覚で自分のキャラを操るのは、とにかく楽しいのです。
この手のゲームにしては珍しく、ストーリーラインがあり、登場するイベントやモンスターがストーリーの進みを現しているのです。そのため、戦闘や成長以外にストーリーや世界を感じるのもひとつの楽しみです(緑→黄→青→赤、と進む)。一方、一度ゲームを終わらせてしまうと結末がわかってしまうのが欠点なのかもしれません。そのため、多くのエキスパンションセットが用意されています。アイテムやモンスターを追加するものから、新たなストーリーを提供するもの、そしてマップまでも新しくなる(これは大箱なので高い)様々なエキスパンションがあります。
今回のプレイでは、アイテム/仲間/モンスターの追加エキスパンションを加えました。
欠点は、プレイヤー間のインタラクションが少ないこと。
英雄同士の戦闘もルール化されていますが、英雄同士で戦闘するよりも、早く成長しマーガスを探すことに注力した方が効率がよいのです。他の英雄を妨害するカードも多く用意されていますが、ゲーム全体の中では比重は大きくありません。
ですから、他の英雄の進行やストーリーに興味を持てないと待ち時間が辛くなるでしょう。
(エキスパンションには、英雄同士が戦って勝者を決めるものもあります)
アイテムや仲間などのカードは、解決した事件(モンスター)カードにも、後々まで残るカードもあります。打ち負かした精霊を後で助力として使えて役にたったり、反面呪いを被ってしまったり…
私個人は、呪いに苦しめられました。のがれたものも含めると4回くらってしまいました…
長くなりました。それで、どんな展開だったかと言うと…
●序盤:
開始時の面々 |
・GreyKerr:布告(イベント)に従って訪れたヴァイネルベール市で「勇猛なるジルダ」と仲間になる(雇用10ゴールド、序盤で雇うのは困難)。
・魔法戦士イェーズ:その能力(追加ダメージ)を活かして体力のある敵もあっさりと仕留める。しかし、別の戦いで深傷を負い単独行の厳しさを知る。そんな折り、ローレン卿と出会い仲間になる。
・影のボグラン:魔法の弓を手に入れ、得意とする射撃の威力を向上させた。遠距離から一撃でモンスターを倒し続ける。しかし、強敵(筋力による試練が必要な敵)に敗北する間際まで追い詰められたこともある。成長のバランスを意識する。
ファローの軍団(手前) |
序盤のまとめ:ファロー軍団を見て、”ひとつ上のレベル”への恐怖感ができてしまったかもしれない。
●中盤~終盤:
・GreyKerr:さらにイベントで仲間(尼僧騎士セリア)を増やし、万全の体制。最強編成時のGrey Kerrチーム |
・イェーズ:"Sunpalte"を入手。敵の攻撃を敵自身に反射させるこのアイテムの威力は目覚ましく、得意の魔法攻撃に加え追加ダメージを与えることができ多くのモンスターを葬った。さらにグリフォンを仲間にしたことに加え、戦闘でモンスターから多くの道具(?)を得る。しかし、全攻撃に耐性を持つモンスターから逃走したことが誇り高きローレン卿の不満を招き、袂をわかつことになった。
・ボグラン:正確な射撃と魔法の弓の威力により成長は順調。また、インプ(街への使いとなる)とリザード(街からアイテムを盗める)をファミリアとし中断なく街で休みをとることなく冒険を続ける。しかし、単独行がたたり、またも敗北寸前まで追い詰められファミリアでない仲間を考え始める。
・シルエット(筆者;ワン・フィストと交代):幾種もの呪いに苦しめられるが、素早い攻撃(特殊能力。ラウンド2回攻撃可)を活かし機先を制してモンスターを倒していく。先制攻撃を可能にする白の剣、投げナイフ、さらに切り込んで鎚矛の一撃を加える戦闘スタイルを確立。英雄単独で1ラウンドで出せる最大の攻撃力(最初の1ラウンドなら8ダメージ)を誇る。ただし、(出遅れを挽回するため)精神力強化を後回しにし、さらに呪いの解除も終わっていないため魔法防御に不安が残る。
中盤~終盤のまとめ:青色イベントへの挑戦は躊躇される一方、黄色イベントが出尽くしてしまい、進まなくなる。改善点。
●クライマックス:
影のボグランが「マーガスの卵の殻」を入手。使えばマーガスを呼び出すことができる。これに焦った他の英雄が行動に出る。シルエットは、他プレイヤーからの移動妨害を自然の守護者カードの助けを得てかわし、ドラゴンの棲家に到達。偵察カードを使い、マーガスを探す(山札から2枚得て1枚選択。末尾★参照)。しかし、マーガスは現れない。代わりに現れたドラゴンロードを1ラウンドで倒す。
イェーズがマーガスを倒した!(右にグリフォンが見える) |
第1ラウンド、防御の杖を発動させたイェーズはマーガスの攻撃を封じマーガスに傷を負わせる。
第2ラウンド、反撃に出たマーガスはイエーズに渾身の炎のブレス、かなりの深手を負わせ、さらに鋭い爪が襲う。
危うしイエーズ。しかし、マーガスの爪は割って入ったグリフォンを切り裂く。グリフォンは息絶えた。
感傷にひたる余裕は無い。イエーズの魔法が功を奏し、マーガスも重傷。次にダメージを与えた者が勝者となる。
第3ラウンド。マーガスの爪が迫る。イエーズはかわした…かに見えた!他プレイヤーの呪い!
呪い(「8」が出た10面ダイスの振り直し)をものともせず(振り直しで「10」を出す!)爪をかわした。
イエーズ、マーガス双方最後の魔法をぶつける。またも呪い(魔法ダイス-4)!しかし持っていたマンティコアの棘(魔法+4)を使い打ち消す!マーガスに競り勝った。
登場した英雄 |
うーん、勝てたなぁ。なぜ(この時だけ)「2枚」を上からとらず山札の途中からとったのだろう。
ただ、勝ったとしてもドラマは無かったかもしれません。その意味ではイェーズが勝ってよかったのでしょう。
スピードアップのため(中だるみしないため)、またハウスルールを改訂しなくては。
(★)山札の途中から1枚、先頭から1枚ひいた。このとき、先頭から2枚ひいていたらマーガスだった…あらあらあら
(※)考えられる長引いた原因
1)久しぶりにやっているので、マーガスに勝つための能力見積り力が鈍っている。万全を期す度が過ぎている。
2)久しぶりにやっているので、移動で悩む。特に、目的がないとき。
3)イベント増やしてカードに占める率も下がらないようにしたが、それでも黄色のアドベンチャーカウンターが無くなった。(2)の原因でもある。