2020/02/02

かんじんなことは、目に見えない … Nightfighter(GMT)

2020/02/02 - 11:43 Posted by 20-on-20 , , , , , ,
■Nightfighter(GMT)
ボックスアートを見るだけ!のためにプレイする価値があるゲーム。


1940〜45年の夜間戦闘機を扱うゲーム…と書くには表現が簡単過ぎます。
まず、レフリー1名とプレイヤー1名でプレイします。プレイヤーは迎撃側を担当。レフリーは爆撃機を担当しますが、ほぼオートマチックで動きます。1ユニット=1機の空戦ゲームにしては珍しく、飛行機の機動は相当抽象化されています。機種によらず一律で「ヘクスごとに60度旋回」です。夜間飛行の難しさも表現はされていません。まぁ、夜間に複雑な機動はできないと思いますが。そして、1つ1つのシナリオは小一時間で終了します。さらにルールはプログラム式で書かれており、シナリオの進行に従って必要なルールを読み進めていくのです。
つまり、このゲームの真価は複数シナリオをプレイして夜間迎撃の技術や戦術の進歩、特に発見技術の進歩を理解するゲームだといえます(bqsfgameさんの受け売りです)。
この日はシナリオ1~4を合計5回プレイしました。

(以下のシナリオに登場する機種のリンク先はWikipediaです)
●シナリオ1  Cat's Eye '40/9月
迎撃:ハリケーン 爆撃:He111
移動、戦闘の基本ルールに加え、目視視認。雲のある夜空でパイロットの肉眼だけでは見つかる訳がありません。本シナリオの視程は1ヘクス。シナリオ難易度は「不可能」!
全くかすりもしませんでした。

●シナリオ2  Dunaja '40/10月
地上レーダーが扱えるようになります。レーダー捜索ヘクスから1ないし2ヘクス以内にいれば、いるという事実が判明します。いなければおおよその方向がわかります。このシナリオでは1つのみですが、シナリオ1をプレイした後ではとてもありがたみがあります。

●シナリオ3  Kammhuber Line '41春
地上サーチライトが登場。地上サーチライトで照らされると視認維持が最大5ヘクスに伸びるので格段に見つけやすくなります。
今回、唯一の撃墜を挙げました。
早々にレーダーコンタクトを得ることができ、それを頼りに追いかけます。しかし、サーチライト範囲に入るまでは視認が続かず、射撃に至りません。
2度目の射撃で撃退しました。パイロットはエクスペルテン(エキスパート)なので爆撃機の反応を起こさせず射撃位置につけました)。
写真は、Ju88Gが目標(スタックしている「Tally」マーカー)を攻撃、撃墜したシーンです。サーチライトで照射されている別の1機が、また2基のレーダーが目標の方向を指し示しているのがわかります。

●シナリオ4  Himmelbett '42/8月
機上レーダー登場。まだ前方1列レンジ2ヘクスの貧弱な能力ですが、それでもあると頼りになります。
このシナリオはサーチライトが無く、見つけきれませんでした。また、ランカスターとDo215は移動力差が0.5しか無く、発見しても追いつかない可能性が高くなりました。
このシナリオの機上レーダーは前方1列2ヘクスなので極めて狭い範囲しか届きません。それでも、捜索範囲をカバーしてくれる技術はたいへんありがたいです。
シナリオでは、機上レーダーを充分に活用できず、見逃しました。

●シナリオ4バリアント   '43春
高高度戦闘、斜銃、レーダー警戒装置を導入してのプレイです。
進入早々、地上レーダーが1機のランカスターを発見。機上レーダーと飛行機雲(高高度のみに存在。爆撃機の同列背後に戦闘機が位置すると、その旨が判明する)の効果もあり位置特定に成功し、ついに視認。ランカスターも警戒装置の効果でWarning状態で反応判定。防御射撃するも外れ。Me110Gは斜銃で攻撃…サイコロ2つで7以上で撃墜だったのですが…なんと2!外れでした。ランカスターはそのまま去りました。
シナリオ4で追加されたテクノロジーを一通り使ったので、プレイとしては満足なシナリオでした。

シナリオとしては、せめて3以降。2まででは到底見つけることが難しく、ゲームとしては展開が地味過ぎます。技術的な支えの無い当時の夜間迎撃の困難さが忍ばれます。

シナリオ5以降は、
 ・高射砲
 ・レーダージャミング
 ・GCI
 ・海上作戦
 ・戦闘機(爆撃機の友軍の夜間戦闘機)
などが加わってきます。
ジャミング、GCI、戦闘機の導入は、また夜間戦闘の様相が変わりそうです。

また、(読んでいませんが)キャンペーンルール、ソロプレイルールもあります。
確かにソロプレイが向いていそうなゲームです。
デジタル版の計画がありましたが、中止になってしまったのがくれぐれも残念です。

デジタル版がリリースされていたら、ボックスアート(パッケージアート?)を多くの方にご覧いただけていたかと思うと残念です。
繰り返しますが、ボックスアートは一見の価値あります!

ところで、RAFのスコードロンのエンブレム(バッジ)を調べていたのですが…
シナリオ4Aに登場する第25スコードロンはフクロウです。夜間戦闘機らしいですね。
ちなみに、12スコードロンキツネ第609スコードロンなどがバラをモチーフにしているようです。残念ながら、どちらのスコードロンも夜間戦闘機では無さそうですので、シナリオには登場しません…やはり、よく見えないのは困るので昼間なのでしょうか…