2023/01/29

プログラム学習方式…Red Storm(GMT) Dark Blue Defecion

2023/01/29 - 0:00 Posted by 20-on-20 , , , , , ,

■Red Storm(GMT)  Dark Blue Defection

ファン作成のソロキャンペーンシナリオ集「Dark Blue Defection」を、複数名でプレイする企画の2回目。
キャンペーンシナリオの2番目をプレイしました。
 
セットアップ

●概要

人間はNATOをプレイし、F-16CとF-4Gとで、SAM(SA-11)制圧に向かわせます。護衛はF-15(任務はCAPとされています)です。
ワルシャワ条約機構(WP)は、MiG-29とMiG-21が上空警戒にあたっています。WPはボットです。

Dark Blue Defectionの素晴らしいところは、スコードリーダー(AH)や、宇宙の戦士(AH)でお馴染み?の”プログラム学習方式”となっています。
最初のシナリオでは、空対空戦闘に必要なルールだけでプレイできます。このシナリオでは、SAM(レーダー、赤外線)、対空砲、ARM(対レーダーミサイル)と精密誘導兵器による爆撃関連のルールが加わります。3番目のシナリオで自由落下兵器による爆撃(とレーダー制御対空砲が加わり、4番目で、レーダージャミング専用機と、ルールのコア部分であるともいえる任務航路が加わるのです。
ファン作成のシナリオ集ではありますが、ルールを習得するための教材にもなっているのはすごい(配慮が行き届いている)です。

●展開

前述の通り、NATOがレーダー誘導SAMを制圧する任務です。
制圧任務のF-16CとF-4Gの装備は、ARM(対放射源ミサイル)とEOGM(精密誘導ミサイル)。基本戦術は、ARMでレーダーを沈黙させ、再起動までにEOGM で破壊します。
WPの空中警戒は、護衛のF-15に任せます。

1~4ターン
ターゲットのSAMを囲む対空砲、赤外線誘導SAMの密度が低い西北西ルートから両編隊を進入させることにします。
F-4Gが対空砲を避けるため上昇しますが、案の定SAM レーダーに発見、捕捉されます。また、NATO 編隊に正面から迫るダミーユニットの正体がMiG-21であることが判明します。

F-15:前ターンレーダーに捕捉されたため、「対レーダー機動」を行っています
F-4G:上昇したところ、SAMレーダーに捕捉されました(Full Acquisition)
 


5ターン
MiG-21に対しF-15がBVR(視界外)戦闘(レーダー誘導ミサイル等による攻撃)を行い、帰還に追い込みます。しかし、レーダー誘導ミサイルは弾切れに。また、WPの1ユニットを探知しダミーであることを見抜きました。しかし、残り最後の1つがシナリオルールによりMiG-29であることが確定。4ヘクスに迫っています。

黄色のユニット「C」はMiG-29なのです 


6ターン
ターンシークエンスでは航空機の行動よりも先に来る探知で、無事WPのダミーを探知、MiG-29であることが明らかになりました。F-15はまず、隣接ヘクスから短距離ミサイル(赤外線追尾ミサイル)でBVR 攻撃をかけますが効果なし。続いて有視界戦闘(通常戦闘)に入ります。何とF-15が1機撃墜されますが、MiGを(F-15も)混乱に追い込みました(混乱すると、戦場を離脱しなければなりません。回復は特定の場所に到達すれば9%、そうでなければ1%です)。

敵機がいなくなったところで、先行するF-16CがARM を発射。想定通り制圧の結果を得て沈黙させます。
F-15、MiG-29:空戦の結果、両者とも混乱
F-16C:ARMを発射

7~ターン
F-16CはEOGMを発射。重損害を与えます。そして後続のF-4Gも...
F-4Gでも同様の攻撃を実施。それでも重損害止まりでした。しかし、NATOはVPが勝利レベルに届きません。
F-16:EOGM攻撃
F-4G:ARM攻撃
SA-11 SAM:制圧(Suppress)、重損害(Heavy)、レーダー停止(Shutdown)
 
精密誘導兵器は、その性質上CRTが固定であり、また有利なダイス修正を得られることも少ないのです。さらに、地上目標への攻撃ではダメージは累積せず、最大のものだけが適用されるのです。3回も重損害を与えたのですが…

勝利のために、爆撃終了したF-16Cで逃走中のMiG-21を追跡、攻撃する(※)といういかにもゲーム的試みを行いますが、効果無し。WPの勝利となりました。
写真右上:MiG-21を追撃するF-16C



 
 ※F-16CはSEAD任務でした。同任務は地上攻撃装備をすべて消費すると、任務終了し帰還しなければなりません。ところが、F-16Cはマルチロール特性を持ちます。これを有していると、SEAD任務終了後にCAP(空中哨戒)に変わり、空対空戦闘をしかけることができるのです。F-4Gはマルチロールではないので、このようなことはできません。

EOGM の攻撃では破壊が難しいため、F-4Gの爆撃は別の目標にしなければならなかったようです。
 

●感想

小規模なシナリオで、SAM(レーダー、赤外線)と対空砲、ARMと地上攻撃ルールを確認できる良いシナリオです。
特に、SEAD任務の動き(レーダー探知を避けるために超低空→射撃直前にARMの最適発射位置につく→(高度を上げたためにレーダーに捕捉されるが)SAMから撃たれる前にARMを発射)を理解、整理するのに良いと思います。

また、Red Stormの地上攻撃は損害が累積しないので、攻撃結果表と目標、装備を加味した編隊の投入を計画する(当たり前のことですけどね)練習にもなりますね(回のシナリオでは、EOGMで「破壊」の結果を得るのは難しいので、先行の攻撃機で損害を与えたら後続の攻撃機は代替目標に切り換える、ということですね)。初歩的な反芻で恐縮です...