2024/02/11

タイタンストライク!(SPI/HJ)、シェナンドー・ナノ

この日は、「当日インストでもできるウォーゲーム」をプレイすることになりました。期せずして、マップの小さいゲームの特集?となりました。

■シェナンドー・ナノ(gameape)

アメリカ南北戦争中1862年のシェナンドー渓谷を巡る、機動主体のゲーム。北軍7個(うち2個は予備、投入時VP与える)、南軍4個のユニット。
 
基本的なプレイの手順は、とてもかんたんです。
両軍ダイスを1個振り、大きい側が1ユニットを隣接エリアに移動(山道移動は50%成功)できる。ただし、
・同数なら南軍が移動
・「6」の目は2回移動、または山道を1回移動、またはひとつの町で戦闘解決
・南軍の「1」の目は全ての戦闘解決を行いターン終了
と処理するので、いつ戦闘解決になるかは分かりません。
 
戦闘解決処理は、
・数の大きい方が勝利、敗者は退却
・同数なら南軍が勝利
・敗者は退却、勝者はユニット数の差分のVPを得る
と解決します。
南岸は少数ですが、機動力を活かして戦闘に勝利しVPを得たいです。
また、戦闘解決後に敵側拠点を占めているとVP.を得ます。南軍はこれに加え、北軍が予備を投入してもVPを得ます。
全9ターン、ゲーム終了時に7VP以上で南軍の勝利です、

たったこれだけのルールなのですが、機動しての占位によりVPを得る機会をうかがうことになります。南軍は戦場では優位ですが寡兵で、VPを狙いにいくと(VP都市はマップの端にあることが多い)、追い詰められて壊滅のリスクがあります。北軍と異なり補充の無い南岸にとって無視できません。
それも踏まえての一手一手の選択と決断が悩ましい、ですが選択肢が多すぎて迷いが少ない(けど悩む)好ゲームです。
南北戦争に詳しくなくてもゲームとしておもしろいです。

■タイタンストライク!(SPI/HJ)

土星の衛星タイタンに埋蔵される鉱物資源をめぐる、ヨーロッパ経済共同体!(EEC)と東アジア同盟(Hegemony of East Asia;HEA)との紛争を描くSFのウォーゲームです。
マップは19×26ヘクス、ユニット100個のミニゲームです。タクテクス誌に掲載されたルールはB4で4ページ(加えてシナリオ、チャート各1ページ)に過ぎず、当日インスト受けてもプレイできる簡単さです。
 
SFゲームならではのガジェットが魅力的で、ユニットはホッパー(ジャンプ移動車両)、コンバットヴィークル、ドローン、ホバー、航空部隊、対空レーザーなど。アンモニアの海、乾いた海、台地などの荒涼とした地形も”らしさ”を添えます(ちょっとマップの色使いがイマイチですが…)。

シナリオは3本。ただ、2本目以外は両陣営がマップ端から侵入する遭遇戦で、設定の面白みにかけます。
今回はシナリオ2「タイタン・プライム強襲作戦」をプレイしました。
HEAの基地をEECが強襲、マップに描かれた施設を占拠することでEECはVPを得ます。HEAはEECユニットの除去により得点します。

各ターンは、電子戦フェイズにはじまり、
次いで空中戦→地上攻撃隊のマップ配置→対空射撃の空中ユニット関連に移ります。
 
第1ターン
EECが総力をあげて出撃したのに対し、HEAは一部を温存。しかし数的優位を得たEECはHEAの1個編隊を撃退。この後EECの制空権は揺るぎませんでした。
空中戦を生き残ったEECの攻撃隊は、HEA守備隊の要である榴弾砲に攻撃を集中。レーザー対空砲により1ユニットが除去されますが、榴弾砲を破壊することに成功します。榴弾砲はマップ上ほぼ全域を射界に収め、必ず「混乱」、おそらくは除去させられる攻撃力を有しています。
この極めて強力な榴弾砲を最初のターンで破壊できたのは今回のポイントだったかもしれません。
空中戦以外の全ての戦闘(長射程、近接)は、ダイスを1個振り、攻撃ユニットの戦闘力+目標修正+地形修正以下が出れば混乱させる、というシンプルな判定です。1ターンの間に2度混乱させられるとユニットは除去されます。混乱はターン終了時に回復するため、除去のためにはターン中に2回混乱させる必要があります。

EECの地上部隊は、全てマップ北部から侵入、HEA施設を目指します。工兵部隊、ホッパーだけが中央に向かいます。工兵の意図は、アンモニア海と乾いた海(低地)とを隔てる壁の破壊。破壊することで南部に展開したHEA兵力の孤立化をちらつかせます。もし撤退したら、中央に進出したホッパーで南部の拠点を占拠するつもりでした(海は、いったん満ちた後ならホバーやコンバットヴィークルは通れますが、満ちているちょうどその時に乾いた海にいるユニットは除去されるのです)。
マップは右が西、下が北
左のキューブは、壁に与えたダメージ。あと1で破壊される
マップ中央下部のピンク色ユニット(EEC)が乾海を渡っている
緑色(HEA)にスタックしているEECユニットは、空襲している


4ターン以降
HEAは高VPが集まる西中央に兵力を集めるべく、南部から撤収を開始します。
北部ではEECの大軍の前に、阻止部隊は蹴散らされ瞬く間に施設群の前にそびえる台地にとりつかれます。台地地下道(進入で30VP)に入る際に「制圧」行動を取らせますが、余計な心配だったようです。HEA守備隊には2個の重歩兵があります。重歩兵はシナリオルールで隠匿配置することができ、そのヘクスに敵が進入した際に「待ち伏せ」を宣言することで先手を取って2回攻撃できるのです。「制圧」は2移動力を追加消費することで待ち伏せを防ぐ移動なのです。EECの侵攻経路はHEAの想定外だったようで、待ち伏せは空振りに終わってしまいました。
 
EECの大軍は台地と、その近辺の施設を数にものをいわせて占拠。アンモニアの海と陸を隔てる壁も破壊、大きく南北に海によって分断されます。南部に配置していたHEAの重歩兵は、辛うじて海没せずに脱出できましたが、司令部を占拠していたEECホッパーを排除すべく突入。しかしホッパーに離脱(ホッパーは、同一ヘクスに敵ホッパーがいない限り離脱可能)され、遠距離攻撃により混乱→その後近接戦闘で除去されてしまいます。
 
中央上部の緑(HEA)の重歩兵を、その下のピンク色(EEC)ホッパーが狙っている


なお、航空部隊は空中戦と、対空射撃により前半で全ユニットが除去されていました。

ゲームはこのままEECが地上全拠点を制圧。損害は航空部隊全てとヴィークル1つに留め、勝利しました。

ミニゲームでありながら特徴的なシークエンス、SFらしい設定とガジェットで、臨場感を味わえる(ナラティブ?)ゲームです。

航空部隊の射程と対空兵器の射程を考えると、マップはもう一回り大きくてもよいと思います。
さらに、魅力的なシナリオが1本しかなく、使用するユニットも限られているので、追加シナリオが欲しくなりますね。ユニットの種類も増やし、本格的なゲームに近づけることもできるような気がします。

空中戦、対空戦闘の処理は同じデザイナーのWar in the Ice(SPI)を髣髴とさせます。ユニットを喪失しやすいシステムなので、ゲーム規模が小さいとすぐに全部除去されて消えてしまい、運営の面白さは出しにくいですね。
 

■ゲティスバーグ戦役(ボンサイ)

この日はルール確認のみ。