2024/03/02

これはウォーゲーム。基本概念用語定義を確実に…ルート(Leder Games/アークライト)

ファンタジー世界の勢力争いを描いたボードゲーム。勢力争いの手段には、直接攻撃ももちろん含みます。勢力は、猫・鷲などの擬人化された動物の集団として描かれ、勢力によって得点方法や特殊能力のみならず、シークエンスも異なります。
つまり、「ヒストリカルでは無いが、非対称勢力によるマルチプレイのウォーゲーム」です。
「このシミュゲがすごい 2020年版」にもウォーゲームとして紹介されています。
 

■ルート(Leder Games/アークライト)

今回のプレイは、以下の勢力で行いました。
:新たな支配者。拡大と建設によりVPを得る。アクション数は原則3回。行軍、寡兵、戦闘、建設と基本的。
:この地域を支配していた王朝。支配地域拡大によりVPを得る。王の勅令がアクション数となる。計画がうまく行けば理論上アクション数は無限。うまくいかなければ内乱が起き、手番1回とVPを失う。アクション種類は基本的な4種。
蜥蜴:カルト。信者を集め、集まった信者を神官が導くか、神官が改宗して信者を増やし拡大を行う。信仰地域拡大によりVPを得る。部隊(信者)はどこにでも置けるが、神官の指導が無ければ移動もできない。手札の枚数がアクション数となる。神官登場、信者増、得点などがアクションの種類。
アライグマ:放浪の冒険者。部隊運用や建設は行わない。クエスト達成、遺跡探索、他派閥支援でVPを得る。持っているアイテムの数がアクション数となる。探索、クエスト、支援、移動、戦闘、などがアクションの種類。
オレンジ:猫、青:鷲、
黄:蜥蜴、黒:アライグマ
 

●展開

この日のプレイは、拡張キット「蜥蜴教団」が初見だったこともあり、挙動に驚きながら(移動アクションが無い!など)のプレイでした。
 
序盤は、アクション数が多い鷲が、移動→建設を繰り返し拠点を増やしVPトップ。これを同様に移動→建設の流れで猫が追います。アライグマは、序盤は遺跡探索を中心に行いますが、アイテム入手が思うように進まず、クエスト達成のためのアイテムが揃わず伸びません。蜥蜴も信仰地域が増えずVPは低いままです。
 
中盤、数か所で猫vs蜥蜴の戦闘が発生します。アイテムが揃いクエストを連続達成してアライグマが伸びます。新たに支配する空き地域が少なくなった鷲、蜥蜴と衝突を始めた猫の伸びが鈍化。蜥蜴は「得点」アクションによりVPを伸ばす。
 
終盤、蜥蜴を攻め拠点(庭園)を破壊して勝利のVP30を達成しようとした鷲でしたが一歩及ばず(29でした)。最後は無理な計画がたたって内乱がおき、後退。
アライグマも連続クエスト達成で追い込むが29まででした。
蜥蜴が「得点」アクションを連発してVP30を達成して勝利……
だったのですが、後日蜥蜴のルールをあらためて確認すると、「得点」アクションに使ったカードは捨て札になり、また、1ターンに実施できる回数は制限されている(手札やマップにはネズミ、キツネ、ウサギの「スート」があり、1ターンに同一スートでの得点は1回が上限)ため、実は30VPに達していなかったです…


手ごろな所要時間、規模の非対称マルチプレイウォーゲームです。派閥の組み合わせによっては難があるゲームになる可能性もあると思いますが、それでも組み合わせの多様さには楽しみがあり、派閥によって戦術もかわるので面白いです。

派手だし楽しいのでそれぞれの派閥特殊能力やコンポーネントに目がいきがちです。
ただ、特殊能力の記載は基本概念を修正適用することが多いので、最初にプレイする際には、以下(1)~(5)の概念を、使われている単語を丁寧におさえて、きっちり理解してから個別派閥ルールを読むべきです。そうしないと、思い込みや勘違いで途中でプレイが破綻します。
なんといっても、派閥によって挙動が大きく異なるので、他のプレイヤーが誤りを正してくれる余裕が無いかもしれないのです。

●基本概念

(1)配置物

 (1.1)定義:兵士、建物、専用トークンの区別
 (1.2)影響:
  兵士→支配判定、与ダメージ上限、被ダメージ適用対象(建物、専用トークンに優先)
  建物→支配判定、被ダメージ適用対象、破壊するとVP
  専用トークン→被ダメージ適用対象、破壊するとVP
 

(2)支配判定

 優先度1:蜥蜴の「庭園」があれば蜥蜴支配
 優先度2:兵士と建物(専用トークンは除く)の合計数が最多の派閥が支配。
      同数なら、誰も支配しない(鷲陣営は同数でも支配)
 

(3)カード

(3.1)カードの見方
 ・カード上部の色とアイコンが「動物種(スート)」
 ・カード左下は「クラフト時に必要となるコスト」、
     下部は「クラフトするとできるモノ/コト」
(3.2)アクション等実行時のリソースとして
 一部のアクション(派閥による異なる)実行時に要求される。
 カード上部の「動物種」でアクションが要求するコストへ適合しているかを判断する。
(3.3)クラフトする対象として
 カード下部記載の「モノ/コト」を実現するためのコストがカード左下に記載。
 このコストは多くの場合マップ上のタイルが生成する(各タイル1ターンに1回のみ)。
 他のカードからでは無いことに注意。よく混乱する。
 

(4)移動

 おおむね、1アクションで1エリアの任意個数の兵士を、隣接エリアに移動。
 始点か終点のどちらかが支配下であることが条件。
 上記(2)支配が影響することに留意。
 

(5)戦闘

 0〜3の目があるダイス2個を振り、大きい目が防御側損害、小さい目が攻撃側損害。
 ダイス目そのままを使うのではなく、与ダメージ上限が最大となる。
 受けた損害は所有者が割振り適用する。1損害で1配置物が除去される。
 上記(1)配置物のルールに留意。適用順が記載されている。
 

■Portal of Heroes (モルタールへの入り口)

 こんなのもプレイしました。紹介はまたあらためて。