2023/10/07

ヤヌス・Bottle Imp・Die Atombombe・ウル・シュティッヒルン

いつものプライベートゲーム会。懸案だったウル、Die Atombombeのプレイにこぎつけました。が…

 

■ヤヌス

カードを集めながら、同一絵柄3枚組を多く作るゲーム。カードを取るのは、山札でも他プレイヤーでも構いません。
さらに、カード表裏で絵柄が異なり、見る時・取る時の向きがルールに規定されています。例えば、山札(もちろん、両面印刷なので、絵柄は見えている)からカードを取る時は、見えている側をそのまま手に取って内側とします。今まで山札で見えていなかった側は、自分は見えませんが他プレイヤーには見えています。他プレイヤーから取る時は、自分に見えている側をそのまま手札の内側に入れます。従って、取られたプレイヤーだけ見えていた側は、今や取ったプレイヤー以外の全員が知ることになるのです。
という、ひとつのアイデアが光り短時間で終わるゲーム。Amigoだし小さいし…随分昔に、ゲーム紹介本に出ていたのを見た時から入手したかったのを中古マーケットで見つけて購入。念願叶ってのプレイ…ではありましたが、仕組みは面白いのですが、それがゲームとしての面白さにどう寄与しているのかは、一度のプレイでは飲み込めませんでした。もう少しでわかるような…わからないような…ご興味あればお声がけください。持っていきます。

 
■Bottle Imp

お気に入りのゲーム。「ジキル博士とハイド氏」と同じく、ルールブックの他に小説が同梱されています。言わずとしれた、スティーブンソンの同名小説をモチーフにしています。
 
マストフォローのトリックテイキング。スートは3色です。ただ、カードは1〜37の37枚、各1枚しかありません。例えば、「1」は黄、「4」は青、「33」は赤と決められています。色に関係なく最大のカードが勝ちますが、特徴は「壺」の存在。最初は「壺」は19に置かれています。「壺」未満で最大のカードは切り札となって勝ちます。切り札で勝ったプレイヤーは壷を引き取り、勝ったカードに「壺」が移動します。最後まで「壺」を持ったままのプレイヤーは獲得したトリックの得点がゼロになってしまうのです。
勝つためには「壺」が必要な時もありますが、ラウンド終了前には手放したい…

カードには強さとは別に1〜6の得点が記されています。
何度か繰り返し、累積で定められた得点を得たプレイヤーが勝利します。

簡潔なルールにテーマをうまく落とし込んだ好ゲームです。
日本語版も出版されたと記憶しています。
カードの一部(プレイ中写真撮り忘れました)

 
■Die Atombombe

第二次世界大戦のドイツの科学者となり、スペシャルウェポンの開発に取り組みます。ウォーゲーム雑誌"Against the Odds"誌の付録ゲームで、5人までプレイできます。
開発のためには、スタッフを集めたり、重水素プラントや研究所などの施設を獲得したり…
一方、連合軍イベントにより爆撃で工場が破壊されたりソ連軍がベルリンに近づきます。
さらに、当時の背景を表現し、科学者どうしは足の引っ張り合いもできます。研究を進め、開発を完了させる(新兵器完成)とゲーム終了です。研究は、その段階に必要なリソースを集め、ダイスを振って難易度をクリアすると成功です。リソースは主として施設から得られ、ダイスは科学者それぞれの能力です。

あらかじめ配布されていたパトロン?黒幕?によりVPが異なります。例えば、親衛隊は研究が完了していれば最大のVPを得られます。他にも、特定のリソース(重水素など)ごとにVPが得られたり、研究段階ごとにVPが得られたりします。今回のプレイの感想戦では、帝国郵便が有利では、との意見が大勢をしめました。郵便は(国土が破壊されないために)残っている連合軍イベントカードの枚数に応じた点数を得られます。5〜6枚しか引かれないうちにゲームが終わってしまったので、かなりのVPが入ったのです。
 
なお、もう一つの勝利条件として「良心」があります。これは、ゲームが研究完了で終わらない(連合軍がベルリン占領)とき、このカードを持っているプレイヤーが勝利するのです。つまり、ゲーム中は妨害に徹する、その時の体制から見れば裏切り者です。このカードが含まれるデッキは今回のプレイでも一巡したので、誰かが持っていることはバレてしまいます。また、手札をキープする意味があまり無いので、特定もされてしまいます。
 
そう、カード枚数とプレイ速度の調整がうまくいっていない印象を受けました。リソースを産み出すカードも、ゲーム終了する前には尽きてしまい、チームに入れる科学者も同様です。私も中途で科学者が尽きてしまい、サイコロ5個振って28を出さねばクリア不可状態になってしまいました。また、プレイ順序が早い方が圧倒的に有利なので、それを決める手順を工夫(入札とかアクションカードとか)する余地はありそうです。
 
科学者やイベントは歴史からとられているとは思いますが、教育的にするにせよゲーム的にするにせよ、活かしきれていないような気がします。雑誌付録だから致し方ありませんかね(なお、このプレイでは、「良心」は私がひきあてました。捨てるかどうか迷いました…時代の趨勢に対して声をあげることの難しさに、あらためて感じいりました)。
 

■ウル

パオロ・モリのデザイン。
エリアマジョリティ+タイル配置ゲームと言ってもよいでしょうか。

5種のアクションが両面に描かれたタイルを6×6にランダムに並べて場を作ります。また、1枚のタイルがプレイヤーに配られます。手番が来たら、手元のタイルに描かれたアクション(表裏あるので、2種類実行できる)を実行した後に、盤面のタイルと手元のそれを交換します。
アクションは以下の5酒類です。
農業 盤面にキューブを増やす(自分の農業タイル)
文化 盤面にキューブを増やす(自分の文化タイルに隣接したタイル)
商業 盤面にキューブを増やす(自分の商業タイル)
政治 キューブの再配置
戦争 隣接タイルを攻撃、占領する

自分のキューブが置いているタイルは、「支配」していることになります。そして、ひとつのタイルにキューブを5個集めたら(それらを取り除き)ジグラットを置くことができます。ゲームは5個目のジグラットが置かれたら終了です。
支配タイルの異なる種類からなる「組」にします。5種5枚組は15,点(ジグラットはワイルドカード扱い、従って最大は6種で21点です)~組無し単独1枚は1点と、少なくなるに従って得点が低くなり、合計得点の高いプレイヤーが勝利します。

取りえるアクションは手元のタイルで分かるので、他プレイヤーが攻めてくるかも分かります。交換するタイルにはキューブが置いて無いことが条件であるため、当初はアクション選択も自由です。文明が発展し、キューブやジグラットが増えてくるとタイル交換できません。発展に伴い選択肢が少なくなります。中盤以降は、使いたいアクションのタイルを空けるための戦争や再配置も行われるようになります。さらに、高い勝利得点を得るための「組」を作るべくタイル支配も狙っていくことになるのです。
発展する(ゲームが進む)につれ選択肢が少なくなり、ある方向にしか進めなくなっていく追い詰められ方は、独特な感じです。文明が発展するにつれて、発展にひきづられて戦争してしまう....,シュールです。

ただ、初期配置以外ランダム要素が無く、公開情報のみで選択肢が減っていき、他プレイヤーの狙いも分かりやすいので先読みができてしまうため長考になりがちで、ダウンタイムが長めになる気がします。

ランダム要素のないゲームは、それはそれで難しいですね。個人的には、ランダム要素の無いゲームはアブストラクト近くまで振るか、もしくは複雑系に行く方がよいと思います。

 
■シュティッヒルン

メイフォローのトリックテイキング。8人まで対応可能な小箱です。
配布された後、全プレイヤー一斉にカードを1枚出します。そのプレイヤーが獲得したトリックがその色だったら、数値分マイナス点になるのです。それ以外の獲得トリックは、1枚1点。
 
リードプレイヤーから順に1枚ずつカードを出していきますが、「リードプレイヤーが出した色以外が切り札」でメイフォローです。このため、他のプレイヤーのマイナスの色を見て、いかにしてマイナスを掴ませるか、陥れるゲームです。
うまく運んでいても、最後につかまされる逆転もあり、軽く進められますがドラマもある良いゲームです。
 
3ラウンドくらいの短めでプレイするのが、ゲーム間の時間調整や締めには良いと思います。