2019/05/04

要塞…Gates of Vienna(S&T295)・Fort Sumter(GMT)

長期休暇中、ゲームはできませんでしたが、溜まっていたプレイレポートを1つでも挙げることができれば…いや、DVD見ちゃだめですね。

■Gates of Vienna(S&T295)

1683年ウィーン包囲。圧倒的なオスマントルコ軍に包囲され耐えるオーストリア首都ウィーン。ポーランド王ヤン・ソビエスキ率いる神聖同盟軍が救援にくる。シチュエーションは最高です。


悪く無い、と思います。交互にリソースポイント(Morale Point; MP)を使ってアクションを実行します(レッドドラゴンライジングのシステム)。移動、強行軍、戦闘、攻城、補充などアクションによって費やすポイントが異なるのです。また、デザイナーのミランダ氏お得意のキャンペーンマーカーをひくにもMPを使います。
MPは、毎ターン保有している都市のVPと同数得られるほか、戦闘での大勝利やイベントでも増減します。MPは勝利条件でもあるので不用意に減らすとピンチに陥ります。 戦闘解決のCRTは両軍で異なり、また攻城戦用のCRTも別に用意されています。攻城戦用のCRTはハプスブルク軍の方が効果が出やすいです。

●ゲーム展開
私が担当する神聖同盟が、増援を早々に(開始すぐにポーランド!さらに第1ターン中にザクセン、第2ターンにブランデンブルクと、3ターンで全て来援)ひきあて、ウィーン防衛軍の他に1スタック用意できる余裕ある展開になりました。
ポーランド軍(紫色)
ポーランド軍が入城したウィーンはオスマン軍も単独では攻めあぐね、タタールやトランシルバニアなど援軍を呼ぶためキャンペーンマーカーをひきはじめます。ハプスブルクもキャンペーンマーカーを引いていたので、一時は両軍ともマーカー引きの展開に。

ハプスブルクはウィーン南方の要塞を2つ占領されるも、Prince Charles別働隊が東方から迫るオスマン・ハンガリー軍を撃破します。勢いをかってNovy Zankyとブダ!も占領します。
Prince Charles率いる神聖同盟軍
タタールとトランシルバニアの増援を得たオスマンは、ついに最終ターンにウィーンに隣接し攻城するも成果出ず。そしてハプスブルクの別働隊の一部がウィーンに入ったことで兵力的に勝機が無くなり、攻略をあきらめる。一方ハプスブルクも勝利条件を満たすことが難しく(VP対象の要塞や都市が近くには少なく、届かない)、引き分けとなりました。
オスマン軍、ウィーンを臨む
勝利条件は10VP以上の差をつけることなのですが、獲得手段の大半はVP要塞/都市の占領です。これはゼロサムですので、5点分奪えば勝利できる。ウィーンは4点なので、オスマンは占領できればほぼ勝利(ウィーン占領ボーナスでダイス1個分のMPも得られるので)なのですが、ハプスブルクは厳しいです。ベオグラードは遥か彼方でまず届きませんし、しかも2点です。ブダは今回も攻略できたが2点。他の都市や要塞は1点に過ぎません。

VPには最終ターンに残ったMPの半分も加えられますが、これはアクションとのトレードオフなので計算には入れにくいです。勝利条件上、最終ターンの動きが慎重に(恣意的に)なってしまいますが、最後だアタックを防げるので良し悪しかもしれません。

テーマはとても興味深いので、勝利条件の設定にもう一工夫してほしかったと思います。

今回、ハプスブルクに勝機があったとすれば、マーカー引き合い時にPanic!を引いたときでした。オスマンのMPが最低の1に減ったので、ウィーンからポーランド軍フルスタックを出撃させて野戦に勝てばゲームに勝利できました(オスマン主力に勝てると考えてもいなかったので、MPを減らすキャンペーンマーカーでMPをゼロにして勝とうと考えていました。しかし、マーカーではMPを1未満にできない付則を読み落としており、気づいた時は後のまつり。そのMPでオスマン軍を攻撃すべきでした)。と書くと聞こえはよいのですが、そもそも引き分けが多い勝利条件設定であり、また前述のウィーンの価値もあってハプスブルクの勝利は難しいと思います。今回はタイミングよくPanic!が出ましたが、ランダム要素に期待するしかないのがハプスブルクなのかもしれません。

また、今回はハプスブルクの援軍が早々に登場しましたが、遅れた場合の展開がどうなるのかは気になるところ。援軍の登場タイミングによってバランスが大きく振れるような気がします。
このあたりを確認するために、もう一度プレイしてみたいですね。「神聖ローマ、運命の日」のDVDをかけながら。
ゲーム終了時盤面
それにしても、東欧ではウィーン包囲(1683)から大トルコ戦争(1683-99)と同時期に西欧では名誉革命(1688)から大同盟戦争(1688-1697)があり、次いで西ではスペイン継承戦争(1701-14)、東では大北方戦争(1700-21)、墺土戦争 (1716-18)と欧州全域にわたって戦いが繰り広げられた変動の時代ですね(さらに、すぐオーストリア継承戦争、7年戦争と続きます)。
昨年2018年は、墺土戦争(Austro-Turkish War;1716-1718)終結の300周年でした!第一次大戦終結100周年、三十年戦争開戦400周年ばかり注目浴びてましたから。。

もう少しマクロな視点のゲームも欲しいですね~

■Fort Sumter(GMT)

13Daysと似ているがプレイ感覚の異なるゲームです。13Daysは相手をはめてデフコンを上げさせてサドンデスを狙うゲーム。対してFort Sumterは1VPのせめぎ合いのゲーム。思考ゲームとしての面白さはFort Sumterに軍配があがると思います。13Daysと比べてサドンデスにならない分、より深読みが必要な気がします(楽しいのですよ)。 ただ、気楽に始められて何度も続けられる軽さが13Daysにはあります。Fort Sumterの最大の欠点は、箱が不必要に大きいこと。
プレイはFinal Crisisのカード色を全て相手と一致させ、追い上げをかわし逃げ切りました。