2023/06/04

ダンケルク、ダンケルク、ダンケルク…

気がつけば、今年も6月。ダンケルクの時期になりました。上映時に観ていなかった「ダンケルク」を配信で観て、気分を高めてから、過去にソロプレイしたダンケルク関連ゲームのメモを引っ張り出しました。

 
毎年の目標となっている、「『ブラックアウト』『オールクリア』ゆかりのゲームをプレイする」ことの達成を目指しプレイしました。大きなモチーフのひとつである「ダンケルク」を扱ったゲームを連続してソロプレイしました。

■Great Escape at Dunkirk(BONSAI) 

まずは本作。「このシミュゲがすごい!2018年版」掲載ゲーム。多人数で手軽にプレイでき、独軍から逃げダンケルクへ向かい競争するゲーム。プレイヤーはそれぞれ英軍となり、自身の軍を脱出させるのです。ある意味レースゲーム。毎ターン最後尾にいると戦力が減っていきます。しかし、大軍であるほど遅くなります。道中、空襲や装甲部隊の攻撃によっても戦力は減っていきます。追われる辛さを簡単に味わえます。
「ダンケルク」「スノーグース」「バイド・パイパー」「Their Finest」など、フランス戦/ダンケルクに関わる作品に由来したイベントカードがオプションで用意されています。こっちを加えて「どんなシーンだっけ?」などと会話しながらプレイするのが正しい遊び方?である気がします(ゲームとしては、入れない方がテンポも良いのですが)。
どうせなら他の作品も入れたくなりますが、そうするとゲームが終わりません。本命は「猫の帰還(ウェストール)」でしょうか。
 


■ダンケルク(EP/K2P)

ドイツ戦車軍団の第2作。
ダイナモ作戦以前、ドイツ軍の侵攻直後からを描きます。短時間で終わるし、両軍とも攻撃する機会があるし、増援がランダムなので変化があるし、何度やっても面白いです。このシリーズでは一番プレイ回数が多いかもしれません。序盤はドイツ軍が順調に進撃できますが、最終ターンの連絡線遮断のイメージを持っていないと最後に破綻します(持っていてもうまくいかないこと多々ありますが)。
連合軍が勝利することが多い気がしますが、今回はギリギリでドイツ軍が勝利しました。

 

■France'40:Dynamo(GMT/CMJ)

セットアップ
France'40:Sickle Cut(以下SC)と2in1で販売されたGMT版のコマンド誌掲載日本語版(127号と135号に分かれて収録)。
シンプルなシークエンスで特例も少なく、それでいてディティールを感じられるルールが美しいと思います。
機動の余地が少ないので、ゲームとしての面白さはSCに譲るのはテーマ的に致し方ありません。
マップの折り目近くにダンケルクがあるので、マップをおさえる手段は必須です。
3ターン終了
 
ゲームが進むにつれユニットが少なくなる(独軍は装甲師団の撤収、連合軍は海岸からの撤収)ためプレイはスピードアップしますが、ユニット密度が高くなっていくためピンセットも必要かと思います。

ゲームはぎりぎりで連合軍勝利となりました。
しかし、序盤にEXが頻発し独軍の1ステップユニット(装甲師団を構成する初めから減少戦略面の連隊)が除去されたことと、断固たる防御(RAFの支援付き)で何度も助けられたので、
実質的には連合軍の敗北なのでしょう。
7ターン終了
最終防衛戦への退却において、あと2〜3ユニットを助けねばなりません。
スタックオーバーして残余ユニットになることも、時には割り切る覚悟が必要なのかもしれません。

ほんとうに連合軍の撤退と防御のマネジメントはたいへん。ウィリアム・テナント大佐にいて欲しい。これ対人戦でやったら絶対に間違えて計画通りにならない自信があります。

ゲーム終了
ゲームとしての好みでは好きな部類に入るのですが、同梱のSickle Cutが良すぎる(私も好き)。だからこのゲームが選ばれてプレイされることを見ないのでしょうね。
 

 
 
 
 

■A Spoiled Victory(WDG)

セットアップ
ダンケルク撤退を扱った、ソロプレイ専用ゲーム。Blind Swordシステム(「Longstreet Attack」など)のヘルマン・ルトマンのデザインです。(「X次元からの侵略」もそうなんだ!)

 
ウィリアム・テナント大佐がイベントで登場します。

2ターン)ベルギー降伏、
ニーウポルト陥落

1ターンは半日(昼と夜)。5/27~6/4を扱います。イベント、空襲、独軍の進撃、プレイヤーアクション、避難移動の順で処理します。
手順ごとにカードをひき、記載されている内容に従います。空襲の場所、進撃対象の独軍決定はカードにより決められます。
 
 

 
空襲はカードで場所が決まり、防ぎようがありません。怖いです。海上も攻撃される可能性があります。何もないところが指定されると、本当にほっとします。10個の進撃路ごとにドイツ軍部隊が割り当てられています。装甲2、自動車化1、歩兵7です。進撃する部隊は、カードでランダムに指定されます。活性化すると1エリア海岸に近づき、連合軍がいると戦闘が発生します。オーバーラン(オーバーキル)が起きると、さらに1エリア進撃します。連続して活性化することもあるので、気を許しません。開始地点から海岸まではあまり遠くなく、長くて4エリア、ダンケルク市を目標とする第9装甲に至っては3エリア(海岸までは4エリア)しかありません。
9ターン)右下に
「The Little ships of Dunkirk」
イベントが見える

 
これらを解決してようやくプレイヤーアクションに移ります。
プレイヤーアクションはランダムに2〜5の間で決まるアクションポイントで実行します。部隊移動、避難者の編成、桟橋の敷設や修理などを実行します。
そして最後に避難者の移動です。海岸から海上へ、そしてイギリスへの移動を扱います。


最終ターン終了
ドイツ軍が海岸に到達

ひと口に”撤収”といっても、それを実現するのは、部隊を港(付近)に移動→避難者に再編成→洋上に送り出し→イギリスまで移動させる、というプロセスを必要とします。これをドイツ軍と戦いながら交通整理し撤退スケジュールを組み立てて実現するのは、チャーチルの言う通り勝利に値すると思います。テナント大佐がダンケルク・ジョーと言われ後にはノルマンディの揚陸海岸でも活躍(※)するのも、いかに得難い才能なのかがわかります。
 
(※)プレイしたときのメモにはそう書いてあったのですが、出典がなにかを確認できませんでした…確認して修正します(2023/6/6)

最終勝利点は42点。「勝利(良好)」だそうです。
 
今回のプレイでは、敢えて装甲師団正面では軍を下げ、抵抗しない戦術をとりました。途中に湿地がありそもそも進撃に困難をきたすこと・また装甲師団はオーバーランを獲得しやすいため、戦闘機会を無くして1活性化では1エリアしか進めない状況をつくる、と判断したからです。それが功を奏したのか…
 
ちなみに史実は「50点以上。奇跡的勝利(奇跡)」。どうやったら50点なんてとれるのでしょうか。
なお、今回はテナント大佐は登場しませんでした。

ところで、このゲームはLegion で再販されるようですね。プレオーダーに入っています。