X(Twitter)でのやりとりから、プレイすることになりました。2024年のゲーム初めです。
■Au Fil de l'Épéeシリーズ
中世~ルネサンス初期の会戦を戦術級で再現するシリーズです。デザイナーのサイトによれば、40ほどの作品が出版されているようです。
■Lac Peïpous 1242 (Vae Victis #45)
前日に、ペイプス湖の戦いをソロプレイしておきました。
アレクサンドル・ネフスキーひきいるノブゴロド公国軍vsドイツ騎士団です。史実ではノブゴロドが勝利しました。
写真は、凍結したペイプス湖を渡ってきたドイツ騎士団にネフスキーが突撃をかけたところ。わざわざ、凍結した湖が割れるマーカーまで用意されています。
■Poitiers 1356 (Vae Victis #26)
百年戦争におけるポワティエの戦い(英エドワード黒太子、仏ジャン2世)。史実では英軍勝利。ジャン2世が捕虜になった戦いです。
練習、という位置付けで3人でプレイ。私は仏軍前衛を担当しました
マップはクォーターだし、ターンも少ないのですぐ終わると思っていましたが…
想像以上に時間がかかりました。
時間がかかるのは、ルールの細目を確認しながらだったからです。特に;
(1)イニシアチブ判定→手順を把握するには正確に読む必要があります。できれば事前に意識合わせしたほうがよいと思います。
(2)戦闘解決の修正項目が多く適用判断の回数が多いこと
とはいえ、このシステムのポイントはイニシアチブ判定にあります。
シークエンスは以下の通りです。
A)指揮チェック
指揮範囲に入っているかの確認
B)砲兵/弓兵射撃
砲兵、弓兵以外(弩など)は射撃できない
C)イニシアティブと指揮官活性
ここがこのゲームのポイントのひとつ
D)移動および戦闘
E)回復
イニシアティブは、原則として指揮値の低い指揮官から順に両軍交互に活性化します。ただ、最初に両軍それぞれ6面ダイス2個+最大の指揮値を比較し、大きい側がその差によって以下の効果を得られます。
・ターン最初に自軍指揮官1人を活性化できる
・その次に活性化する敵軍指揮官1人を指名できる
・その次に、敵軍指揮官1人を指名し、指名された敵指揮官は、そのターン何もできない
両軍1人ずつの指揮官が指定されたら、その後は指揮能力の低い順に1人ずつ交互に活性化します。
部隊の行動順は、イニシアティブ判定の結果でしか変えることができない(とはいっても、指揮官1人だけですが)ので、判定に影響する高い指揮値は戦局を左右します。ここがこのゲームのポイントかもしれません。
移動と戦闘フェイズは、さらに細かく手順がわかれます。
・活性化ユニット(活性化した指揮官の配下部隊であり、かつ指揮範囲内)の移動
・活性化ユニットによる射撃(射撃力あれば)
・活性化ユニットの白兵戦
手順(1)非活性化ユニットの防御射撃(射撃力あれば)
(2)活性化ユニットの前進射撃(射撃力あれば)
(3)白兵戦
白兵戦は10面ダイスで判定しますが、戦力比・ユニット種別の組み合わせ(例:騎士vs槍兵)・向き・潰走・指揮官など10種以上の修正があります。処理に慣れてくると機械的に判断できますが、それまでは時間を要します。
●展開
まずは両軍、弓と弩の射撃の応酬から始まります。イングランドは左翼が弩の射撃によって混乱後退、一方で右翼が進出しフランス軍の側面をつきます。これに対し、フランスはジャン2世直率の後衛が前進します。イングランドは黒太子も前進、一斉にフランス軍に襲いかかります。フランスの弩隊は一蹴され、もはや前線は敵味方入り乱れています。
ジャン2世も戦闘に参加、そしてフランス軍は前ターンに戦線を突破していたAudrehem率いる騎士が、黒太子の背後から突撃!しますが、返り討ちにあいAudrehemは捕虜になってしまいました。
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黒太子の背後から突撃をかけるが… |
それにしてもイングランドの指揮官は優秀です。右翼のCaptal、左翼のOxford、Warwickの指揮値は2、黒太子は3です。他の指揮官も1はあります。これに対するフランス軍はジャン2世が2ですが、他は1の指揮官が2〜3名で、ゼロの指揮官も存在します。
戦闘開始1.5時間(3ターン)には、ユニット数でもフランスが押されていることが明らかになってきました。
そして4ターン、Warwickがフランス戦線の隙をつきフランス王太子の軍を側面から攻撃、みごと王太子を捕虜にします。これで勝負ありました。
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Warwickがフランス皇太子を側面から攻撃 |
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終了時 |
●感想
ポワティエシナリオを「練習のつもり」で始めたのですが、十分お腹いっぱいになりました。それだけ展開が流動的な中で判断を要求され、さらに処理手順が詳細だからだと思います。マップの大きさに惑わされますが、半日はかかるボリュームでした。
状況が二転三転する展開はエキサイティングですし、シークエンスも含め詳細に表現されており、この時代の戦闘をイメージできる良いウォーゲームだと思います。ルールを覚えたところで、あらためて別のシナリオを試してみてからシステムの評価をしたいと思います。
また、多数のシナリオがあるので、面白いシナリオを探したいですね(今回のシナリオに不満があったわけではありません。さすが黒太子でした)