カメラを忘れてしまったため、プレイ中の写真は撮れませんでした。残念。
●第1ターン
両プレイヤーに5枚ずつのアクションカード(アクションポイント1〜3)が配布され、カードに書かれたポイントを使って、移動や補充、回復などのアクションを行います。
フランス軍は大西洋の支配権を得ます。また、フィリップスバーグを陥落させます。幸先のよいスタート。
同盟軍は予定通りウィリアム(戦術2-統率6※)とオランダ軍をイギリスに送ります。名誉革命が起き、ロンドンを支配下におきます。
※指揮官の能力は戦術-統率で表されます。前者は野戦や攻囲戦に影響し、後者は率いることのできる戦力を表しています。
●第2ターン
このターンからイベントが起きます。
このゲームはアクションとイベントでカードが分かれています。またホールドできるイベントも多くありません。そのため、カードを熟知したりカウンティングしたりする要素が減るので、見通しが立てやすく初プレイではゲームに集中しやすいのではないでしょうか。また、個人的には、歴史的に大きなイベントは「起こす」より「降ってくる」方が歴史に翻弄されている感がして好きですね(あくまで個人的好みです。念のため)。もっとも、それぞれ一長一短があり、ゲームによって選択すればよいことだと思います。
このターンのイベントは、いきなり「ルヴォアの死」と「ビーチー・ヘッド」の2つともの継続イベント。どちらもフランス軍に不利なイベントです。前者は毎ターンのフランス軍の補充が減ります。また、後者の結果、大西洋の支配権は今後同盟軍が持ち続けることが確実になりました。
同盟軍はウィリアムとオランダ軍でブレストを攻撃します。開始後2ターンの間のみ、海上移動で動かせる戦力が大きいのです。従って、ウィリアム麾下のオランダ軍で大きな作戦を実施するなら最初の2ターンになるのです。
ブレストは陸路で繋がっておらず守備隊の増援も難しく、またここが陥落するとブルボンの大西洋艦隊が壊滅するので、同盟のブレスト攻撃は定番なのかもしれません。
ダイス目が振るわず、第4ラウンドまで粘られますが要衝ブレストを陥落させます。これで大西洋支配権は一層確実になりました。
●第3ターン
サヴォアが同盟側にたって参戦。
一方、スコットランドで反乱がおき、ウィリアムはまたもブリテン島に戻る羽目になります。
●第4ターン
双方5ヒットずつ損害の大激戦になりました。辛くも踏みとどまった同盟側が勝利(損害同数なら防御側勝利)します。後世はこの戦いを「マインツの会戦」と名付けます(Famous Victory)。
スコットランドの反乱はマールバラ公が鎮圧し、ブリテン島を平定します。
このゲームの野戦は、1戦力ごとに6面ダイスを振り、5か6の目が出れば1ヒットを与えます。指揮官の能力はダイス修正ではなく、振るダイス数を増やすのに使われます。そのため、野戦は結果のふれが大きく計算するのが難しいです。一方、攻囲戦はダイス1個を振りチャートを参照します。継続攻囲や戦術2以上の指揮官の存在、そして隣接地域のFamous Victoryなどでダイス修正がありますが、チャートがあるので計算が立てやすいです。また都市はVP対象であるので、やはり攻囲戦が中心となるでしょう。野戦は攻囲軍の戦力を減らし、あわよくばFamous Victory(これも攻囲に影響)を得るのを期待します。
●第5ターン
マールバラ公が第一線を退きます。スペイン継承戦争の時に、またでてくるでしょう(別のゲームですが…ちなみに、本作は"No Peace without Spain"と連結できます)。
ブルボンでもCotinat(2-5)が政争で1ターン取り除かれます。南仏〜イタリア方面の指揮を執っていたので、これは痛い。
ドイツ方面では、ブルボンのヴォーバン伯(2-3)がナミュールを占領。一方、イタリア方面ではマントゥバが同盟側の手に落ちます。
アイルランドでは、アイルランドに逃れたジェームズ(1-5)を追ってウィリアムがデリーに上陸。戦力が整う前にジェームズが攻撃。1回めの新旧英王対決は、ジェームズが勝利しました。
ダブリンで新旧英王対決(2回め)。両軍合わせて1ヒットの精彩を欠く戦いですが、またもジェームズが勝利します。しかも同盟軍は指揮官が負傷。弱り目(ダイス)に祟り目とはこのことです。
●第7ターン
第2次ダブリン会戦。新旧英王対決の3回めです。ついにウィリアムが勝利!ジェームズは大陸に逃亡します。
ドイツ方面では大きな動きがありました。
リュクサンブール公がミュンヘンを奇襲。勝利しますが、復帰、同行していたCotinatが戦死してしまいます。優秀な指揮官だけに厳しいです。
さらに、同盟軍はオイゲン王子が強行軍(ホールドしていたイベントカード)を行いリュクサンブールをウルムで捕捉。2回めの対決でもFamous Victoryとなる大勝利。ブルボンの有力なスタックの一つが無力化され、さらに厳しい戦況です。後世、「ウルム」といえばナポレオンでは無くオイゲン王子の戦勝となるでしょう。
●第8ターン
ベルギー、オランダ方面では、ヴォーバン伯が城塞を次々に陥しています(ヴォーバン伯は、攻囲戦でダイスを2つ振り好きな目を選べる。流石!)。アントワープ攻囲中のヴォーバンに、ウルムで勝利し意気上がるオイゲンが救援に向かいます。しかし、ここはヴォーバンが踏み止まります。それでも、両軍とも3hitずつ損害を受けブルボン軍も攻撃力を失います。
ダブリンが陥落。同盟軍はアイルランドを完全支配します。
●第9ターン
サヴォアが中立にもどります。
戦力を失ってヴォーバンが退いたアントワープを同盟軍が奪回します。
そしてフライブルクのオイゲン王子を、リュクサンブール公が攻撃します。オイゲンvsリュクサンブールの3度めの対決です。しかし、両軍同数の損害を受け、攻撃側のリュクサンブールが退却。ジェームズvsウィリアムは3度目でウィリアムが勝利した顛末とは異なり、リュクサンブールは3度目でまたも勝てませんでした。
ここで、残り時間では同盟軍勝利を覆せないと判断して終了としました。
●感想
ルールは難しくなく、またイベントとアクションカードを分離しているためプレイのハードルは低いと思います。
第1ターンの同盟軍の移動は、定石?を知っていた方が良い気がしますが、それ以外は方向性が見えやすくとっつきやすいのではないでしょうか。
気になるのが、ブレストの扱いです。ブレストは陸路で繋がっておらず、増援を送ることができません。攻撃も海路のみです。となると、どうしても同盟軍の最初2ターンの海輸能力の高い間に攻めるしか選択肢がありません。ブレストがゲーム序盤のみにしかスポットがあたらないのが、展開の幅という点では気になります。
とはいえ、戦線が数箇所にできるので単純ということではありません。オランダ・ドイツ・南仏/イタリア・スペイン・イギリスの5つの戦線が生じますが、すべてに対応する戦力はどちらにもありません。都市の攻略はVPにもなり、また野戦と違って計算できるので都市の攻略を中心に組み立てていくことになるでしょう。
このゲームでは、ブルボンは補充能力に劣っているので、「ルヴォアの死」が早期に出ない展開がどうなるのかも試してみたいです。
※富裕スペースをロンドンとミュンヘンのみと解釈してプレイしてしまったので、よりブルボンの補充が苦しかったのかもしれません。
個人的には、ヒストリカルゲームで「歴史に残る大きなイベント」を意図して起こせる(まぁ、奇襲!とか強行軍、なら受容範囲なのですが)よりもイベントが「降ってくる」方が時代に翻弄されている感があって好きです。ですから、「ルヴォアの死」と「ビーチーヘッド」が揃ってきたのも楽しめましたが。
そして、何と言っても、大同盟戦争がプレイできるゲームは他に殆どありません。
英蘭戦争や仏蘭戦争(https://en.wikipedia.org/wiki/Franco-Dutch_War)が欲しいなぁ。