■Sword of Rome(GMT)
共和制ローマのイタリア半島統一時期を扱ったマルチゲームです。
4人プレイだと、ローマ(赤)・ガリア(青)・ギリシャ(水色)・エトルリア(緑)/サムニウム(黄)が登場します。私はエトリルア/サムニウムを担当しました。
いわゆるマルチにありがちな緩衝地帯がほとんど無いため、すぐにぶつかります。シビア。
各勢力で固有のデッキを使うカードドリブンです。カードは、オペレーションかイベントで使用します。イベント使用により除去するカード、繰り返し使えるカードに加えて、各勢力2枚ずつの”Desperate Time"カードがあります。これは、「いつでも3オペレーション値(最高値)で割り込める、使用後除去する」カードであり、いざという場面での対応を可能にしています。
さらに、各勢力を特徴づけるルールがあることも、それだけで楽しいです。
私が担当したエトルリアは、「3」のカードを除去することで、侵入してきた敵プレイヤーの移動をキャンセルできる「買収」能力です。ただ、自身の領土を5エリア占領されると(買収資源が枯渇し)以降使えなくなります。
7ターン途中の手札 |
●展開
今回のプレイでは…
私は初プレイなので手さぐりです。
まず、エトルリアはガリアとローマの両方には対峙できる力はありません。また、マップを見ると海岸沿いと内陸を連結している場所が1ヶ所しかありません(ピサ)。ピサはガリアに近く、とても危うく見えます。
買収の能力は3オペレーションポイントカードを永久除去するので使うなら後半なのですが、後半まで枯渇させずに持ちこたえられるか…
また、サムニウムは山岳の奥にあるので、他勢力からは移動がしにくい場所にあります。そのため、最初は持久かな、と(←そんな余裕のあるゲームでは無いのです)。
●序盤
ゲーム序盤、ローマはまず最寄りの中立勢力である、ヴォルスキ族を攻撃します。まったくダイスの目がさえず、攻略できたのは第3ターンになってからでした(1ターンは5ラウンドからなる。ターン開始時の手札は7枚。ローマは8枚、選択肢が多いのです)。しかも(中立の)ヴォルスキを操るプレイヤーが、最初はローマに野戦を挑み引き分けたうえに大損害を与えます。このゲームでの野戦は、3d6の大きい方が勝利します。損害は、それぞれのダイスの目を使って判定します。したがって、「戦闘には勝っても損害は自分だけ」になることもあるのです。ここでの損害はローマの大きな躓きになりました。
また、遠ガリアの部族(中立)がマップ上に侵入。さらにカルタゴ(中立)がシラクサを襲います。
エトルリアはローマと同盟(サムニウムも)します。また、リーダーを1名雇用し、3名とします。ガリアが中部イタリア(Reate、ローマの隣)にまで侵入し略奪しました。サムニウムの領土でもありますが、特に対処できる余力もありません(し、デメリットもありません)。
2ターン
サムニウムはReateからガリアを退けますが、他の領土を略奪されます。有能なリーダーEgnatius(2/3)を獲得しますが、有効な手当ては難しいです。ギリシャがシチリアでパレルモまで前進。まだVPには動きがありません。このゲームでは静かな立ち上がりなのでしょうか。
3~4ターン
ギリシャがサルディニア島に上陸。VP都市を占領します。このゲームのVP獲得は、ターン終了時に判定します。その時点で「獲得している他勢力のVP都市」マイナス「失っている自勢力のVP都市」を計算し増減させます(ガリアだけは「文明国を略奪」することでVPを得ます)。ギリシャがこのままサルディニアを保持し続ければ、毎ターンVPを獲得できます。しかも、有力な海軍力(海上輸送力)を持つのは、ギリシャと中立のカルタゴだけなのです。
ローマは漸くヴォルスキ族を従えます。サムニウムは漸くガリアを追い払いました…ではなく、ガリアはエトルリアの領土を略奪しています。3エリアが中立化!あと2エリアで「枯渇」してしまいます。ガリアは大きな脅威ですね。
ギリシャとガリア(略奪でVP獲得)がVPで一歩リードします。
●中盤
5ターン
ローマがカルタゴの助け(イベント)を得て、サルディニアに上陸します。エトルリアはガリアと一進一退。ギリシャも南伊を上がり、サムニウム領土と接します。この時期、正直言って南でも北でも先行きが見えない感ありました。。。
6ターン
サムニウムは山を下りナポリを占領!もちろんナポリはVP都市です。
カルタゴ(紫)メッシナ攻撃 |
7ターン
サムニウムはリーダーEgnatiusがFregellaeの会戦でローマに勝利。一度奪われたスペースを奪回した上にローマ領Velitraeを占領。
ローマは最優秀の執政官カミルス(2/4)を使い、サムニウムに反撃します。しかし、リーダーEgnatiusがインターセプトに成功、さらにイベントカードを投入しサムニウムがローマに大勝利。ついにVPを8にまで上げます。このターンがサムニウムの最盛期でした。。。
中立勢力のカルタゴが活性化。リーダー「ハミルカル」(名前だけで脅威ですが、あのハミルカルではありません)がエトルリア領に上陸!戦闘ダイスで「3」(ダイス3個で)を出し敗退。エトルリアは救われました。
ギリシャにはついにピュロスが登場。メッシナは解囲されました。
●終盤
8ターン
再びカルタゴが活性化。ハミルカルが動きますが、上陸戦に失敗。
ギリシャはローマと同盟し、ナポリを奪還!ローマはサムニウムが占領していたVelitraeを攻囲。どうもギリシャにだけ益があったような…ギリシャはシチリアでもカルタゴを退けました。
ガリアの指揮官Brennus(1/3)がエトルリアの交通の要衝Facsulaeを占領し、エトルリアの海側と内陸の連絡線が切断されます。サムニウムの付近にも、ローマとギリシャの計3スタックが迫り、このターンは厳しいターンです。
ナポリをギリシャに奪還され、 ローマにも攻撃される厳しいターン |
9ターン
最終ターンは通常の手番の後に、残していた「Desperate Time」カードも使ってアクションができます。そのため、手番が多く最後の無理?攻めが見られます。
中立勢力のカルタゴが活性化。しかし今度は暴風で上陸できず。
サムニウムはまたもローマにFregellaeを奪われます。このエリアは城塞都市では無いので、一度奪われると取り返しても防御を強化できないのがキツイです。
ナポリはローマとギリシャの争奪戦となりました。ここまでくると、かつての同盟関係もなく、仁義なき戦いとなっています。
ガリアがエトルリアのピサを攻撃。何とか撃退します。しかし、このターンのガリアの略奪で、ついに「鉱山が枯渇」しました…
ローマも独裁官(1/4)を擁し、エトルリアを攻撃します。しかし、ダイスの目が(6面ダイス3個で)「4」で敗退。ゲーム終了までに陥落させることができません。ローマは終始ダイスの目に祟られました。
エトルリアも2箇所で攻撃。メッシナを強襲(ただ、これはギリシャのイタリア本土への攻撃を抑制するブラフ)、またガリアのジェノヴァを攻撃。どちらも占領することはできず、VP積み上げはなりませんでした。
最終的にガリアとギリシャが10VPで同点、規定によりガリアが勝利しました。エトルリア/サムニウムは9VP。地政的に腹背に敵を抱え、北からも南からもVP都市を攻められる最終盤面では心が折れそうになりました…
イタリア諸国(ローマ、エトルリア/サムニウム)が厳しい印象はありますが、各国がそれぞれ異なるルールで特徴づけられ、またカードデッキも固有であり、個性が表現されているのが好感が持てます。
一度プレイしただけでは特徴を掴むだけになると思うので、その次に勢力間の”綾”を活かしたプレイになるのでしょう。
またプレイしたい好ゲームです。
(初プレイの方へ:VPの得失はきちんとおさえておきましょう!)