2019/01/07

00は殺しの番号…Elusive Victory(GMT)@猿遊会(2018/11/17-18)

年が明けて2019年になってしまいましたが、昨年の猿遊会では、空戦ゲームを企画しました。同会での空戦ゲーム企画は3年ぶりで、まずはゲームの選定。盛り上がった末に、Elusive Victory(GMT)をプレイすることになりました。3年前はAir Powerだったのですが、今回はDowntownシステムに決定。滅多にできないフルマップ2枚!であることと、両軍が爆撃できることからElusive Victoryとなりました。


■Elusive Victory(GMT)
シナリオEV22「Closing the Noose」を6人でプレイしました。両軍が爆撃できるシナリオの中から選択。このシナリオは両軍が近接航空支援を行います。1973年シナリオですので、1967年に比べて若干エジプト空軍の練度が上がっています。
猿遊会の日程が発表されてから、3ヶ月に渡って準備を進めました。充分時間をとったつもりが、ギリギリのスケジュールになってしまいました。シナリオを決めるまでにも、以下のステップが必要でした。
・ルールの確認
・シナリオの吟味
・採用する選択ルールの決定
・陣営の決定
・事前編成
- 航空部隊の機種、装備、練度
- 攻撃部隊の予定経路
- 防空部隊の配置(秘匿)
・そして合意形成

参加していただいた皆さんの奮闘により、何とか猿遊会直前にプレイができる状態にこぎつけました。(今さら遅いですが)あらためて御礼申し上げます。ありがとうございました。
事前計画にはとにかく時間がかかりましたが、これが面白い。それぞれ爆撃隊は目標までの経路を記録しておくのですが、この際に敵の”見えている”対空火器の位置を念頭におきます。プレイ当日にスムーズにゲームに入れる「コツ」は少なくとも地上部隊の配置計画までは事前に済ませておくことです。

以前の別ゲームの記事でも書きましたが、やはりウォーゲームは事前の計画が(も)楽しいです。戦術級ゲームはゲーム内時間が短いだけに、なおさら事前計画の充実がプレイ時間の密度を高め、また短いゲーム内時間を前後に広げてくれるのだと思います。
 

なお、以下のリプレイは私(IAF)視点です。一面的ですがご容赦を。

●登場編隊
・エジプト空軍(EAF)
- 爆撃編隊(護衛戦闘機隊1、爆撃隊2、偵察機隊1)×2
- CAP(各飛行場ごと1~2戦闘機隊)
- 目標:のうち2箇所

・イスラエル空軍(IAF)
- 爆撃編隊(CAP戦闘機隊2、SEAD隊1、爆撃隊2、偵察機隊1)×2
- CAP 1戦闘機隊
- 目標:のうち2箇所

緑線はIAFの計画侵攻経路


●1ターン
IAF(イスラエル)の2個任務部隊(CAP1、SEAD1、爆撃2、偵察1)がマップ南西から進入、スエズ湾をめざします。スエズ湾から北上しスエズ運河上空を飛び爆撃目標を目指すルートです。EAF(エジプト)は、早期警戒判定で上空に上げられた2個CAPが迎撃に南西に向かいます。これを探知したIAFのCAP(私の担当、MirageⅢCJ)も離陸します。EAFの2個爆撃編隊も離陸しました。


●5ターン
エジプトのSAMがIAFの先行編隊(おそらくCAP)をスエズ湾上空で捕捉。両軍のCAPは6ヘクス(約24km)に近づきます。

●6ターン
今まで移動チットを後にひいていたIAFは、ここで先にチットをひく選択を行います(相手の動きを見てから動けるので、概して後から引く方が有利です、交戦可能範囲に入ったら先手をとって攻撃をかけたいのです)。
真っ先に動いたF-4ファントム編隊が視界外の目標にAIM-7スパローを発射(ベトナムの米軍は、目視確認した標的にのみ発射できました。イスラエルにはその制約が無く自由に発射でき、レーダー誘導ミサイル本来の威力が発揮できるのです)。MiG-21が1機重損害、1機軽損害。

●7ターン
先のF-4は再びスパローを発射し2機を撃墜、次いで接近し交戦。さらに1機を撃墜します。このF-4に別のMiGが交戦を試みます。しかし射撃位置につけず。スエズ湾海上でも、別任務部隊のCAPであるMirageとMiGの空戦が発生。MiGが1機撃墜されます。
エジプトも反撃。F-4にSA-2地対空ミサイルを発射します。しかしF-4の内装ジャマー、遠距離ジャマーによって命中しません。
 


●8ターン
飛行場を発進したIAFのCAP(私担当,MirageⅢCJ)に、護衛のMiGが襲いかかります!しかしスカ!交戦できません。MirageはこのMiGを無視し急降下、爆撃編隊を攻撃します。ターゲットはL-29(リンクはWikipedia)、爆装した練習機!躊躇ったのか交戦したが位置につけず(2d10で3)射撃無し。しかしL-29は士気チェックに失敗し爆装投棄(=爆撃任務失敗)、さらにスカッター先が対空火器ゾーンに入ってしまい、1機を撃墜されます。Mirage自身の士気チェックは「00」、つまり20で影響なし 。

また、爆撃隊護衛のMirageが引き続きCAPのMiGと交戦。1機を撃墜、1機重損害を与えます。
●9ターン
爆撃隊護衛F-4がEAFの爆撃隊の攻撃位置につき、別のL-29を攻撃。1機撃墜1機銃損害。さらにスカッター先で対空砲に1機が撃墜されます。
私担当のMirageも、先に投棄させた編隊との空戦空域を出て、正面5km(1へクス)の別爆撃隊にエンゲージ。今度は射撃位置につき、30mm機関砲を選択。2d10で判定。出た目は「00」、つまり20。機関砲修正+4で24、スカ!(なぜかこのゲームでは損害判定で22以上がスカなのです)。しかしEAF爆撃隊は士気チェックに失敗、爆装投棄。またもスカッター先で対空砲に1機が撃墜されます。
このターン、任務続行している最後のEAF爆撃機が対空砲に撃墜されたので、IAFの勝利で終了としました。結局、イスラエルの爆撃隊が目標に到達する前にゲーム終了となりました。

●感想
イスラエルの進入ルートが真西では無く北or南からと予想したエジプト防空担当は、北からの進入に山をはったそうです。
しかしイスラエルの進入は南から。それでも爆撃目標上空には多くの対空兵器が置かれていたのですが…
防空網をかわすコースが進入ルートであると判明した瞬間にCAPが全て迎撃に向かい、また爆撃編隊もすぐに離陸し攻撃に向かってしまいました。航空機の性能、練度もイスラエル軍が優れているので、エジプト空軍は即座に交戦せず、防空網がイスラエル空軍に何らかのダメージを与えた後で空軍を投入しなければなりませんでした。

●余談




なお、私担当のMirageの戦績は、2回交戦。自己撃墜は無しでしたが2回とも任務中断に追い込みました。そして対空砲ゾーンに追い込み、対空砲が2機撃墜。自分では手を下していませんが、連携プレーによる実績を挙げています。
 ちなみに、私はこの編隊について2d10を10回振って「00」を2度!だしました。そして、この編隊のコードネームは偶然にも「Spector」だったのです(ホントは映画タイトルは”Spectre"だけど)。このダイスは翌日のElusive Victoryのプレイでも「00」を2度出しました。なお、このダイスはJames Bond RPG(VG)付属ダイスなのですた。何たる偶然!

"Spector"、2機目の撃墜?