2022/08/20

Sword of Rome(GMT) 5人でプレイしました

2022/08/20 - 0:00 Posted by 20-on-20 , , , , ,

共和制ローマの黎明期、イタリア半島統一時期を扱うマルチプレイヤーズゲーム。今回は5人用エキスパンションでのプレイ。カルタゴがプレイヤー勢力となります。他の4プレイヤーは、それぞれローマ・エトルリア/サムニウム、ギリシャ、ガリアです。

セットアップ(青:ガリア、黄:エトルリア、赤:ローマ、
緑:サムニウム、水色:ギリシャ、紫:カルタゴ)

■Sword of Rome(GMT)

ゲームシステムは前回プレイの投稿(リンク)を参照してください。
今回はランダム決めによりローマを担当します。5人プレイヤーだと、中央のローマとエトルリア/サムニウムが、後ろに敵を持たない他の3カ国(ギリシャ、カルタゴ、ガリア)の草刈り場になる印象が否めません。それでもBGGによるとローマが一番人気なようなので、何かしらあるはずですね。
 

●展開

1ターン
順当に、ローマは中立のAntinum(現アンツィオ)を攻囲し占領。ガリアはエトルリア領さらにはローマ、サムニウムを略奪してまわる。そして、なんとサムニウムがギリシャ領ネアポリスを攻撃!驚きましたが、ギリシャは名将アレクサンドロスがサムニウムを撃退。
 …ガリアが略奪したローマのPraeneste(現パレストリーナ)はVP都市。略奪されると独立扱いになるので、これを放置してしまったのはダメです。ローマはVP-1。ターン最後にVP計上するので、ターン末には対応しなければなりませんでした。しかもVPは累積するので、ずっとペナルティがついてまわるのです。基本中の基本…
 

 
2ターン
遠ガリアが活性化し、プレイヤーのガリア領に侵入。ギリシャはシチリア島からイタリア半島に増援を移動させます。
 
3ターン
なんとカルタゴがエトルリアのPopulonium(現ポプロニア)に上陸。さらにアドリア海沿いにも上陸。ギリシャは着々とイタリア半島に軍を終結させます。VPはカルタゴが+1して7、ガリアも略奪が功を奏して7です。ローマとエトルリア/サムニウムが5です。


4ターン
これまで国境を接していながら平穏だったローマとエトルリアとで戦争。ローマがTarquinii(現タルクイニア)を攻撃、占領。それに対しエトルリアはNarnia(現ナルニ)を攻撃(写真がボケてしまっています)。ローマは退けます。
 VPはカルタゴ、ガリアが頭一つ抜け8、ギリシャが6、ローマ5、エトルリア/サムニウムが3です。
今回は史実通りエトルリアに出ていきましたが、悪手でしたね(少なくともこのタイミングではない)。かえって他の3ヶ国にその隙をつかれました。以降はNPC状態の惨敗に終わりました。
 
5ターン
このターンは凄いターンでした。まず、カルタゴがローマのSutrium(現ストリ)を、ギリシャが同じくローマのカプアを攻撃します。さらにギリシャはタラキナも占領。
 
ローマはこれに対し独裁官を擁立、カプアの解放をめざしカプアに突入します。ギリシャはネアポリスにいるアレクサンドロスが迎撃し合流。ローマvsギリシャの戦闘が発生します。しかしここはギリシャ軍が勝利。
カプアの戦い

ストリはカルタゴにより陥落、さらにエトルリアがタルクニアの奪回を目指します。
ローマは再度独裁官を用いて今度はタラキナを攻撃。またもアレクサンドロスが迎撃に成功し合流。ギリシャ軍は象もおいていました!独裁官vsアレクサンドロス(+象)の2回戦は、またもアレクサンドロスのギリシャ軍が勝利しました(この時点で、ローマの戦力は5戦力ほどしかなく、ギリシャやカルタゴの1スタック程度でした)。
 
タラキナの戦い

迎撃では、リーダーの指揮能力を使って判定します。リーダーが率いる戦力が加わって戦力増強されます。迎撃の判定は、ダイス1個を振って指揮能力以下の目が出れば成功です。2のリーダーがいるといないのとでは期待感が全く異なるので抑止力が違ってきます。アレクサンドロスは「2」ですが、それでも続けて成功するのは凄かったです。
結局、このターンのローマはVP都市2を失い、1を奪回されました。


6ターン
ローマは執政官にカミルスを引き当て、カプアを奪回すべく送り込みます…
 
カミルス、カプア攻囲!

が、ギリシャはついにピュロスを投入。またもギリシャ軍の勝利に終わります。
ピュロスvsカミルス!

できるのなら、戦闘しない方がよいですね。敗北すると最大6戦力削られます。それにより3サポート減り(都市支配が失われる)ますので。
 
ギリシャはサムニウムの本拠地を2か所も占領。VPを稼ぎます。


カルタゴがギリシャと開戦、シチリア島大半を支配。ギリシャからメッシナを、中立のタラントを攻囲します。さらにメッシナの対岸であるRhegion(現レッジョ)も支配します。
そして、最後はガリアがローマのストリを攻撃。この攻囲が成功すればガリアの勝利でしたが…攻囲は失敗。1点差でカルタゴの勝利となりました。
 

 最終ターンのVPは、カルタゴ12、ガリア11、ギリシャ7、エトルリア/サムニウムは2、ローマは1でした....

●感想

やはり面白いです(プレイ中辛い局面あります)。寡作なデザイナーです。他には「タイムオブクライシス」をデザインしています。
 
勢力間の「綾」が、イベントの中にちりばめられており、ある程度は知っておかないと判断の材料が足りません。全プレイヤーが相場観を共有できるようになってからが本当の面白さになるのではないでしょうか。マルチゲームとして、プレイヤーの能力が違うのは良くありますが、固有の非公開情報(カード)に違いが大きいのです。相互にアドバイスしながらのプレイができません。
 
今回のプレイでも中央に位置するローマ、エトルリア/サムニウムが周辺3勢力(ガリア、ギリシャ、カルタゴ)の草刈り場になってしまったのですが、前述したようにBGGではローマが一番人気なので、何かしらあるはずですね…
一点、今回の明らかな失敗の一つは、コローニア(植民都市;城塞扱いになる。ローマは城塞を建設できる唯一の勢力)を十分に準備しなかったこと。これはゲーム序盤からできたので、早々に着手すべきでした。しかも増援の供給源になるのです!
(とはいえ、ローマのリーダーは最大3人なのです。独裁官使っても4人なのです。したがって多正面やりにくいです。それを考えると、せいぜい近郊までが進出限界(ナポリ、エトルリア、サムニウム)となってしまうのでしょうか)
 
まだまだやりこみたいゲームです。

●ルールについて

大事なルールは、まずVPがゼロサムであること。また、計上がターン最後であるので、自分のVP都市が奪われてもそのターン中に回復すればVPの変更はありません。ただ、毎ターン「得点-失点」を計上するので、奪われたままでいるとジリ貧になっていきます。
 
また、おそらく多くの方が持っていると思われる和訳ルールはver1だと思います。Living Ruleは2.0が出ています。できれば2.0でプレイすべきでしょう(今回はプレイ前に確認できていませんでした)。もちろん、5人プレイヤーだと必然的にエキスパンションルールが求められることもわすれてはなりません。
 
2.0ルールで気づいたことを挙げておきます。
・カードの差し替えが必要(エキスパンションには差し替えカードあります)
・1プレイヤーラウンドでできることがver1.0と異なる(5.4)
  同盟/マイナーリーダー再配置/カードプレイに加えて、「Neutral Power Activate」イベントが行える→つまり、遠ガリアやヒスパニアの活性化や反乱の頻度が増えるはず。ガリアとカルタゴを対象にしたルールですね。
(5.4項のアクション一覧には記載がありませんが、カードについて詳細に記載してある7.1.2項には記載あり、とのご指摘をいただきました。ありがとうございました。
 2.0ルールには、5.4項に記載が加わっています)

その他忘れやすい細かいルール
・「Desperate Time」カードは、7.4.3項には3種のアクションが(も)できるように記載してあるが、各プレイヤーに2枚あるカードの記載は異なっている。1枚目は7.4.3項の1つ目と2つ目が、2枚目は1つ目と3つ目が記載されている。
・リシャッフルは、「リシャッフル」を捨札にしても行う
・インターセプトは、同盟の地には行えない
・ローマ執政官は、全てカップに戻してからドロー→連続再選がありうる