2022/09/17

どうしても比較される…ベルリン陥落 / Berlin 1945(BONSAI)

良い評判しか聞かない"Dos de Mayo"をベースにしたシステムと言われていたので、期待してプレイしました。非対称、プロットあり。カードあり。当日インストで大丈夫ですが、移動に細かい規定が目立つので、1〜2ターンは解説しながら回してみるのが良いと思います。

第2戦。ドイツ勝利の盤面

■ベルリン陥落 / Berlin 1945

1945年4~5月の、ドイツとソ連によるベルリン攻防戦を描いています。ベルリン攻防戦は「Fortress Berlin(AtO)」以来でしょうか。

●ゲームの概要

ナポレオン戦争時代のマドリード市街戦を描いた、dos de mayoのシステムを下敷きにしていると言われています。
移動ルールに特徴があります。
ソ連軍は移動命令をプロットしておくのです。さらに原則2箇所の部隊しか移動できません。
ドイツ軍は(ソ連のプロット後に)移動でき、全部隊を移動させることができます。ただ、原則として後退(正確には「前進しない移動」)できるのは2ユニットだけです。後退は許されないのでしょうか。
両軍の、この非対称が面白いですね。
また、エリアごとに「スタック制限」があります。戦力は1ユニット1戦力なので、両軍が目いっぱい入れると引き分けです(引き分けは両軍1ユニット除去)。ところが、ドイツ軍には2戦力部隊があり、これを加えられると、そのエリアではドイツ軍が勝利するわけです(敗北側は1戦力除去。敵戦力の半分未満だと、2戦力除去)。
ここで必要なのがカード。戦力を増すカード、移動命令を追加できるカード、スタック制限を超えられるカード、空襲、増援…があります。戦闘解決で1戦力が勝敗を分けるので、1戦力をカードは両軍25枚。特別な指示が無ければ、16枚しか配布されないので、ゲームの度に展開は変わります。一度使ったカードは、ゲーム中二度と出てきません。重要なカードは、ソ連軍にとっては命令数を増やす「ジューコフ」「コーネフ」、一時的にスタック制限を増やせる「人海戦術」でしょうか。ドイツ軍は「503重戦車大隊」「シュタイナー」など損害を減らしたり、増援のカードが重要でしょうか(勝利条件がユニット数によるものなので)。

●展開

この日は2戦。
1戦目
序盤でドイツ軍がソ連軍を圧倒。ただ、局地的な勝利です。
エリア14ではドイツ軍が勝利…

 
ソ連軍は構わず早々にベルリンに突入。最後は物量を活かしてドイツ軍をすり潰し、ドイツはベルリンを保持する戦力を喪失。ソ連軍の勝利となりました。
 

 
2戦目
ドイツ軍が「スタック制限」のあるエリア(外縁部は無制限)まで引き込み、制限いっぱいのエリアでソ連軍を攻撃し勝利。それを数ヶ所で勝利を重ねながら徐々に後退。
ドイツ軍が中央部に後退。スタックを編成
 
多くの部隊を残したまま議事堂エリアまで後退。ミッテ内でも時間を稼ぎ、最終12ターンで勝利条件を満たしてドイツの勝利となりました。


今回のプレイでは戦術的後退、地下鉄ネットワークの移動カードがとても役に立ち、ミッテ内の再配置に大きな効果を発揮しました。

12軍はゲーム終盤に出て主戦場には影響しませんでしたが、取り残されたソ連軍を除去し「鉄十字章」でカードドローにつながり、最後の追い込みに間に合いました。
ドイツ軍のカードは(ゲンブン劇画の影響か)ストーリーを感じますね。


移動が非対称であることと、スタック制限やカードの扱いが、特徴的で、またテクニカルと言えます。面白いゲームです。
ただ、中毒性はベースとなったdos de mayoの方が上かもしれません。再販されないかなー