1815年ワーテルローの戦いを描いた作品。
フランス対イギリス、プロイセン連合軍。もちろん、ナポレオン、ブリュッヒャー、ウェリントンもユニット化されています。
2人プレイもできますが、3人でプレイするのが面白い!
この時は、いみじくも、ゲムマのボンサイゲームズさんのブースで購入した3人によるプレイとなりました。
マップ |
■Napoleon1815 (Shako/ボンサイ)
そして豪華なコンポーネント!軍団ブロック、戦力シート、衝立て、そしてマップ、おそらくブロックを入れる袋も立派です。所有する満足も得られることでしょう。
さらに、これをよく日本語化してくれたものだ、と思います。ボンサイゲームズさんに感謝。
さて、今回は誰もやりたくなかった!のでフランス軍はランダムに決定。私はプロイセン。
イギリスとプロイセンは連合軍ですが、司令官が同じ場所、または隣にいるか、副官(伝令)カードを使わないと相談できません。そのため、味方同士でも意図を読まねばならないのですが…これが面白い!
また、ユニットの正体は隠されており、戦力もわからない。そして、部隊の機動も思った通りにならず、動けないことはよく起きる。規模と距離が大きくなると移動できない確率が上がります。これも面白い!
カードはフランス軍、連合軍それぞれに用意され、イベント、手札、移動判定、戦闘判定、回復判定すべてに用います(サイコロを使う方法も用意されているが、カードの方が断然面白い)。
フランス軍、連合軍の順で交互に活性化(移動や戦闘)します。1エリアを指定し、そこにいるブロックの中で活性化試行対象を指定します。ここでカードを引き、使える移動力を参照します。次に、規模(ブロック数)や降雨によるマイナス修正、騎兵軍団や指揮官によるプラス修正で使える移動力が決まるのです(プラス修正を使って移動すれば、それも敵に与える情報となる)。結果的に移動できないこともあるのです。
フランス軍のほうが平均のカード記載移動力が1高いと思われます(移動できる可能性も高く、期待距離も長くなる)。そして、連合軍は各手番ごとにイギリスかプロイセンのどちらかが活動するのですが、それを決めるのは連合軍の指揮プレイヤー(毎ターン変わる)が決めるのです。相談はできない!
何と素敵なシステム!
今回のプレイでも、こんなことがありました。カトルブラにイギリス軍、その前面にフランス軍。そしてリニー方面にプロイセン軍主力が布陣。ただ、フランス軍には主力と思われる部隊がもう1ヶ所にありました。このときの連合軍の手番で、指揮はイギリス軍。イギリス軍は自らが動くことを決め、カトルブラ前面のフランス軍に騎兵偵察を敢行。もちろん、プロイセン軍へのメッセージです。その次の連合軍手番では、指揮するイギリスプレイヤーは、プロイセン軍を指名(指揮プレイヤーは、どの部隊を動かすかの指示まではできません)します。意を汲んだプロイセンは、リニー付近の主力(ブリュッヒァー指揮官)を活性化。移動カードを引きますが、なんと1。2以上であればフランス軍を攻撃できたのですが…結局、移動できず。残念。
この状況が… |
こうなって… |
動けず、こうなりました(写真ではわかりませんね) |
軍団は木製ブロックであらわされますが、ブロックの戦力は別シート管理で、戦力と疲労度を記録します。
フランスは軍団数は多く、プロイセンは戦力の大きい軍団が目立ちます。
ビューローは8戦力! ブリュッヒャーには攻撃時有利の能力あり |
前述の通り、ブロックは他には見えないよう(連合軍どうしでも)置かれるので、同じエリアに入らないと正体はわかりません。そして同じエリアに入ったら戦闘を解決するのです。
戦力、指揮官、手札から出した戦闘カードにより、戦闘判定値が決まります。この数だけ、デッキからカードを引いて解決します。結果は損失数と疲労数であらわされます。これを所有者がブロックに割り当てます。
カードの例 (右下が「大砲列」) |
先の例でふれたプロイセン軍に、フランス軍が襲いかかります。フランス軍は「大砲列」などのカードを駆使して6損害・6疲労をプロイセンに与えます。プロイセンの反撃は2損害・8疲労。プロイセン軍は敗北して撤退。戦力として計算できなくなってしまいます。それでも、フランス軍の8疲労は大きいです。
プロシア軍、叩き出され退却... |
疲労は軽視できず、移動しても疲労は溜まります。各ターンにどれか1個ブロックを1〜2点程度は回復できますが、焼け石に水程度。疲労から完全回復するには1ターンの間、移動戦闘をしないで過ごす必要があります。そして、ブロックの疲労が8ポイントになると戦力の多寡に関わらず軍団はブロックごと除去されてしまうのです。
次のターン、イギリスは敗北上等で1ブロックを突入させ、休息を妨害。フランス軍は目論見が外れ、戦闘態勢を整えることができませんでした。フランス軍は貴重な時間を失います。
フランス軍は、カトルブラ、リニーを占領しますが時間切れ。VPにより連合軍の勝利となりました。
フランス軍のVPペナルティがとてもキツいので、かなり早めに攻撃を仕掛けなければなりません。
移動しなければならないフランス軍は、軍規模に応じた移動距離の相場感は持っておいたほうがよい(連合軍もそうですが)でしょう。そのうえで、基本的な攻勢計画の変更を迫られる場面が何度も訪れます。そのタイミングの見極めは、一度プレイしないと掴めないかと思います。
プロイセンは軍団数は少ないですが、軍団あたりの戦力値が高いので、フランス軍としてはぶつかってこられると嫌なはずです。また、総司令官ボーナスも、攻撃時に効果を持ちます…のはずでずが、どうもおっかなびっくりになってしまいました。イギリス、プロイセンは単独であたっては劣勢なので後退しながら戦機をうかがうことになります。また、最初はフランスにVPペナルティが課せられているので、イギリス・プロイセン連合軍は焦ることもないのです。とはいえ、(今回はうまくいきませんでしたが)どこかでフランス軍の矢面に立つことが求められるので、あまり下がりすぎるわけにもいきません。
連合軍で相手の意図を読みとれないこともさることながら、想像・意図通りにならない(ことが多い)システムなので、計画した作戦術のキレというより、その時点での判断の冴えを求められるような気がします。
またやってみたいと思わせるゲームです。
ただ、ルール記載に曖昧な点が散見されるので、解釈させ事前に詰めておければ1日に2回プレイすることもできると思います。できれば担当入れ替えてチャレンジするのが良いと思います。