空戦ゲームの1日、メインはRed Stormでした。ようやくこのゲームのソロシステムの回し方スムーズにできるようになってきました。ソロ回しが慣れても…ですが。
終了時 |
■Red Storm Dark Blue Defection (シナリオ:NSC04)
Red Stormは、1987年にWP(ワルシャワ条約機構)がNATOに侵攻する仮想設定で、航空作戦を描いたシミュレーションゲームです。
「Dark Blue Defection」を複数プレイヤーで協力ゲーム的にプレイする企画の続きです。
ファン作成のソロシナリオ集「Dark Blue Defection」は、10本からなる連作シナリオとなっていて、少しずつ新たなルールを取り入れるようになっている他、背景ストーリーも用意されています。シナリオの結果が次のシナリオに影響する作りではないので、どのシナリオからでもプレイできます。
今回はシナリオ4「Iron Hand」をプレイしました。WPに占領された飛行場を、使用されないようにNATOが爆撃して破壊するシナリオです。
NATOはF-15A(CAP)、F-16C(SEAD)2個、F-111(爆撃)、EF-111(ジャミング)の5個編隊です。
青:NATO、赤:WPの飛行経路(予定) |
EF-111がジャミングしている間にF-16がARMを撃ってレーダーを停止させ、続いてF-111が爆撃を成功させました。
やはりCAPのF-15が大活躍。見事にワルシャワ条約機構の3編隊を無力化しました。ルール上、F-15は2回のBVR(視界外戦闘を意味する)攻撃を行え、しかも試行判定に自動的に成功します。
まず、距離1ヘクスでAIM-9M(赤外線誘導、短射程)を使いました。弾薬欠乏が生じないよう、最初の攻撃では短距離用の装備を使っているのです(武装は使用毎に弾薬欠乏チェックが必要)。目論見どおり、目標のMiG-23は士気チェックに失敗(回避のために散開したが、再集結できなかった、とも考えられます)し帰投に追い込みます。
MiG-23を攻撃したターン終了時 |
次のターンの狙い (赤囲みはMiG-23。混乱マーカーが乗っている) |
次のターンには、遠方の敵にAIM-7M(レーダー誘導、長射程)を使います。F-15は同一ターンに2つの目標に対してBVR攻撃が行える強みを活かし、このターン中に2つの敵を無力化します。2回とも成功させ、MiG-29、MiG-21を帰投させています。
赤囲み3個所が撃退したWP編隊 目標(紫のおはじき)にF-111が接近 |
F-111の爆撃成功 (よりによって「20」!) |
ソロプレイ用シナリオなので、対空火器の位置はおおよそ判明しているため、正確な(危険を最小限にした)経路をとって接近、攻撃できています。したがって、このプレイではCAPのF-15の活躍こそが肝だったと言えるでしょう。
有視界戦闘(ルールでは、標準空対空戦闘)の場合、戦闘後に、その後の戦力として喪失されるリスクがあります。両者モラルチェックが要求されるため、どんなに高性能・高練度であっても混乱、悪くすると戦場離脱の可能性がゼロではありません。自分に損害が出ないとしても、弾薬切れの可能性、少なくとも空戦参加マーカー(ルールでは機動マーカー、次の移動機会に移動力半分使用)、1ヘクスのスカッター(空戦後の偏移)があり、次のターンの計画にマイナスの影響が出ます。そのため、まずはBVR(視界外)攻撃を選択。それも、弾薬切れに備えて、隣接ヘクスでは短射程ミサイルを使っているのです。戦果だけを求めるならば、長射程ミサイルや有視界戦闘のほうが威力が高いですが、このシナリオにおけるF-15の任務は護衛です。それも、護衛は1ユニットで敵の迎撃戦闘機3ユニットを無力化するのです。そのための戦闘解決方法、武装の選択をしていました。
このNSC04で飛行計画(経路)とジャミングルールを扱ったので、基本となるルールの大半は確認できたといえるでしょう。
ただ、Red Stormのソロプレイbotルールは、探知/識別状態と状態によるユニットの置き換えについては、通常ルールと異なる扱いをしています。ですから、この点だけは通常ルールの事前練習はできません。
また、botの処理手順はチャートだけに説明が記載されています。チャートには”部分”を使用するタイミングの記載が判別しにくく、DFD3回目にして、ようやくチャートの見方、動かし方が体得できました。
そろそろ復習も一区切りし、通常の対戦シナリオに戻ろうと思います。
■Undaunted:Battle of Britain
「Normandy」で有名な、Undauntedシステム。
「デッキ構築」システムを用いた戦術級ウォーゲーム(風ゲーム?)。
ダンケルク撤退あたりから、バトルオブブリテンデーまでの10本のシナリオがあります。
自分のデッキに必要なカードを組み入れ、また無効果カードを取り除くのがシステムの根幹であるように思いますが、それが空戦ではどう表現されているでしょうか…
カードとユニット |
まず、本シリーズの特徴である、デッキビルド要素です。無効果カードの組み入れは、編隊行動が必要なカードを用いたときに、所属機が離れすぎていると追加されます。そして、取り除くカードは1枚の全体指揮カードしかありません。
一方、デッキへのカードの追加は、全体または編隊ごとの指揮カードを使います。
おおよそのプレイの流れは以下の通りです。
デッキから4枚引いて手札に→先行プレイヤー4枚使いアクション→後攻プレイヤー
…しかし、どうも個人的にはピンときません。このシステムで空戦…果たして機能するのでしょうか…
ちょっと感じたことをつらつら思いつくまま挙げてみます。
1ユニット1機。
スケールはどうなのでしょうか?
そして、もっとも気になるのが
1ターンの時間は不明。まぁ、それは抽象化ということなのかも。
デッキから手札にひかれなかった機は、そのターン移動しないのです。
飛行機ですから、停止しているということはありえません。
これはその空域を旋回待機しているのでしょうか?だとしたらゲームスケールは?
射撃は、前方真正面のヘクス列にしかできません(Air Forceやブルーマックスはそうではないですよね)。システム上、1枚のカードでは旋回と射撃は同時にできませんので、射撃機会を得るのか難しいです。なので……デファイアントは旋回砲塔があるので、真正面以外のどの方向にも撃てます。
デファイアント激つよです。おそらく、デファイアントがデザインされたバトルオブブリテンのゲームの中で最強です。
爆撃は同一ヘクス。でも1ユニットのJu87は、何度も爆撃できます…
機動性能は、全機種同じです。概ね、1ヘクス直進ごとに60度旋回できます。
速度と旋回回数は機種ごとに違いますが…ちなみに、Bf109とスピットファイアの性能は同じです(イギリスの出版社ですから!)。
高度の概念はありません。
他の機体を通した射撃は1ペナルティ(1ヘクス遠いのと同じ)。
無効果カードがデッキに入るのは、同一編隊の距離が離れたときに特定の行動をとるとき、つまり、自軍のコミュニケーション不備によって無効果カードが入るという表現になっているのだと思われます。
ところで、ルールでは「編隊」は2機なのですが…イギリスはこの時期3機編隊のはずですが(これは細かすぎる指摘か)。
つまり、何か抽象化の度合いがしっくりこないのですね。
空戦らしさを描ききれずに、"とりあえずUndauntedシステムに載せてみました"、感が否めないです…
また、シナリオの多くが、敵を撃墜することが勝利条件であることが多く、平板な印象があります。キャンペーンもありますが、シナリオの勝敗を単純に競うだけなので魅力が弱いです。せっかく連作なのですから、前の結果で次のシナリオや戦力がかわるストーリーがあってもよかったかもしれません。
ピンとこないことの改善のために、
1ターンの中で手札に現れなくても1ヘクス移動させてしまうとか・垂直機動を入れるとか(例えば、Moveアクションの全ての移動力と他アクション併用不可で、180度反転)・ちょっとディティールに凝ってドイツ軍の無効果カードの1枚を「燃料欠乏」にしてデッキに加える際はランダムに入れるとか・イギリス軍の編隊を3機とするとか・イギリス軍は手札を決める際に6枚ひいて4枚選ぶ(地上管制)とか……ギミックを無責任に書き散らかしましたが、空戦としての納得感を高められればよいのですが。せっかくの抽象化を損なわずに。