■Britain Stands Alone(GMT)
3年越しのプレイ。
シナリオはシーライオン。
私は英軍の担当です。バトルオブブリテンものをプレイするときには、いつも私が英軍をプレイすることになっている?のです。
●事前検討
事前に、配置の検討をしてみました。
陸軍は(番外エリアを除き)固定配置。空海軍は基本自由配置です。
そこで感じたのが、イギリス南西部のユニットの少なさです。それを守るため、南西部の有力な軍港に打撃力のある海軍部隊を配置しました。
心細いのが空軍です。配置できる航空基地の数からしても、ロンドン周辺に戦闘機隊の主力を置かざるをえず、南西部は4,5個の配置となりました。イギリス北端の軍港スカパフローにも戦闘機をおかねばならないのが悩ましいです。収容力が最大の港湾であるために艦隊主力を置かねばならず、またノルウェーに置かれるHe111などのドイツ爆撃機の航続距離内なのです(このゲームでは、対空砲火で爆撃機のステップロスは起こりません。また、英海軍の損害はドイツのVPになるので無視できません)。その意味では、ドイツはノルウェーに爆撃機を1個置くだけで、貴重な英軍戦闘機を1個は引き離せます。
北部の盤外エリアにも陸軍を置かねばならず、上陸対象となる南部にまわせるのは1個師団+2個旅団。それも侵攻開始後5ターン(15日)後です。遅すぎるぞ!
事前検討(いちばん右はエリアマップ) |
●展開
シナリオ開始前に、事前のドイツ空軍の攻撃を反映します。レーダーサイト等の施設へのダメージ、また海軍の損害を判定します。ここで駆逐艦3ステップの損害、軽巡オーロラが沈没します。これは痛かったです。特に駆逐艦は機雷が置かれた海域での損害率を減らすので貴重。アメリカからの輸送船団の護衛艦隊から引き抜くこともできますが、それもドイツにVPを与えます。とりあえずこの時点では自重しました。また、南西部レーダー、指揮飛行場(セクター飛行場)に損害が適用され、この地域の探知力が落ちます。
第1ターン
1940年9月6日。シーライオン作戦が開始されます。危惧していた通りドイツ軍は、防御の薄い南西部に上陸。そして、後々の補給のために大港湾が欲しいドイツ軍は、サザンプトン(※1)に強襲上陸!それをめぐっての両軍の激しい応酬がありました。ここが本ゲームの特長であり、魅力かと思いますので、この後に詳細に書きます。
(※1)これはルール適用ミス。サザンプトンはall-seaヘクスに接していないので、攻撃できません(海沿いなので、上陸ヘクスには選べます)。従って、上陸ヘクスを指定しても攻撃できないので、いつまでも陸地に上がれません。上陸の際は、すべてのヘクスに防衛隊がいるものとみなすので、戦闘必須です。だから上陸ヘクスに選ぶはずが無いのです。
海軍セグメント
第1波
ドイツ軍は3個上陸船団が海岸を目指します。
イギリス軍は、プリマスを母港とする英仏海峡主力艦隊(戦艦リベンジ、重巡マンチェスター、バーウィック、軽巡1、駆逐艦4ポイント)が迎撃します。これをドイツは空軍で迎撃。重巡バーウィックがJu87の攻撃で損害を受けます。
しかし、戦艦隊の火力は強烈。上陸艦隊を壊滅させます。
第2波
ドイツ軍は、重巡アドミラルヒッパーと駆逐艦を船団護衛につけて上陸を試みます。
英軍の迎撃は、ポーツマスの重巡戦隊(グラスゴー、サセックス、サザンプトン、ケニア、駆逐艦4ポイント)と空軍のブレニム。
重巡サセックスがスツーカに沈められますが、ブレニムと重巡の砲撃により、重巡ヒッパーと輸送船団が壊滅します。
第3波
上陸しないと始まらないドイツ軍は、3度めの挑戦。流石に英軍にも艦隊は無く(海軍迎撃に使えるスタックが、もうありません)、ブレニムのみで迎撃します。
輸送船団に1ヒットを与えるのみ。ついに上陸に成功します。
それでも、英軍の迎撃で、このターンで4.5個師団が海に沈みました。
作戦セグメント
航空作戦フェイズで、第7降下猟兵の3個連隊もJu52で輸送され、上陸部隊の近傍に降下します。
陸上戦闘フェイズで、上陸戦闘を解決します。ドイツ軍は1.5個師団+上陸用戦車大隊の19攻撃力。英軍はHome Guard防御力3(上陸時に収容力2以上の港湾)。独軍は揚陸船団が平底船を含んでいたため2カラム左シフト、大都市は左2カラムシフトの計4カラムシフト。6:1だったのが2:1での戦闘解決となりました。追い込まれましたが、上陸には成功しました。
第1ターンの英軍の対応は、わずか2ユニットのみ(ドイツ軍から3へクス以内)。第4歩兵師団をポーツマスに入れますが、上陸地点から西方面はかなり手薄。第21戦車旅団で足止め程度にボスコム・ダウン飛行場に位置します。
第2ターン
海軍セグメント(※2)
第1ターンに続き、第2ターンも3波で後続を送り込みます。
このターンは英海軍の戦果はありませんでしたが、機雷と空軍の攻撃で2個師団相当の輸送船団を撃沈しました。
また、航空作戦フェイズで、陸軍補充ステップの空輸を試みます。しかし、これはスピットファイアに迎撃され、Ju-52とともに補充ステップは失われました。
(※2)ルール適用誤り。ターン最後の「基地帰還セグメント」において、強襲上陸・海上輸送で陸軍を下船させた船は帰還できない(今回は帰還させてしまった)。従って次ターン海軍セグメント最初(移動よりも前)に探知、攻撃される対象となる。それゆえ、英軍は前ターンの海軍移動フェイズで艦隊を送り込んでおけば、海上移動前に(前ターンから残っている)輸送船団に攻撃をかけられる。
作戦セグメント
ドイツ軍は守るものもない西方に一気に進軍。北はミドルワロップの第21戦車旅団を攻撃。除去しますが、第7降下猟兵の2個連隊も相互損害で失われました。橋頭堡にわずか2へクスの位置にいる英第4歩兵師団を航空阻止で足止め。橋頭堡の安全を確保しました。
多くの部隊が動けるようになった英軍は北方は川に沿って戦線を構築します。ドイツ軍上陸橋頭堡に歩兵師団が近接、さらに戦車師団もいます。ドイツ軍にはかなりの圧力でしょう。ただ、西方(コーンウォール地方)にはユニットはわずかしかありません。拠点に僅かなユニットを送り込むのみとなりました。
ここでお開きです。
●感想と考察
2ターン終了までプレイにこぎつけました。
ドイツ軍は上陸に成功しましたが、その兵力は充分とは言えず、ステップロスした部隊の回復もできていません。また、上陸した部隊に補充もできず、橋頭保付近には強力な英軍師団が揃っています。港湾保持も危機的になってきました。上陸地点東方、北方には防御線を引かれています。しかし、西方には陸上部隊が殆どおらず、ウェイマス港も無防備です。
1回目のプレイ(2020年)よりも、英軍側に厳しさを感じました。
確かに、上陸時点の戦闘こそドイツ軍に大損害を与え、抑え込んでいるように見えましたが、陸軍の対応が遅いです。軍密度の低い西方では、それが顕著にあらわれます。
また、今回活躍した英海軍も、港湾収容能力の関係で有力な艦隊は2個(プリマス、ポーツマス)にしか置けません。次いでドーバー(収容能力は前2者の半分である4)となります。今回のプレイでは、プリマスに戦艦1・巡洋艦3・駆逐艦4ポイント、ポーツマスは巡洋艦4・駆逐艦4ポイント、ドーバーには巡洋艦2・駆逐艦2ポイントを置きました。それなりの打撃力を持たせるには、収容力6~8の港湾を基地とする必要があるでしょう。ところが、マップ内にある6〜8の港湾は、西岸はリヴァプール(収容力6)、東岸はハル(収容力8)と遠く、英仏海峡に出てきたドイツ海軍を迎撃することができません(海軍への海軍迎撃は、2移動力以内の距離に制限される)。
さらに、戦闘機の損失がターンが進むにつれ効いてきます。2ターンではそれほどではないですが、英軍の戦闘機保有ステップの上限は徐々に下がっていくのです。
もう1ターン、3ターンまでは行って、その光景を見たいですね。
●王室とチャーチル
なお、英国王室の特別ルールは、以下の通りです。
移動できない/防御時にダイスの目1有利になる/独軍に同じへクスに入られると除去15VP、自主的に取り除く(亡命)10VPです。ちなみに、ロンドン全へクス(7へクス)で15VPです。
ちなみに、チャーチルの場合は移動できます。
独軍に捕まると15VP、防御戦闘時には、ダイスの目は1有利になることも、1不利になることもあります(ランダム)。戦闘に直接参画する可能性があるが、有利不利どちらかわからない、との評価のようです。まぁ、いろいろアグレッシブな方ですから…