1985年、WW3が勃発ーそこには人間ではないものも蠢いていた……という背景設定を持つスカーミッシュウォーゲーム / TRPGが「Dark War:Rebooted」です。
紹介するためのシナリオを考えてみるという記事 (→リンク)を以前書きました。
BANZAIマガジンでもリプレイが掲載されていましたし、小さなウォーゲーム屋さんでも取り扱っていました(リンク)。
ゲームの概要は、ページ冒頭のリンク先に記載しているのでここでは割愛します。
■シナリオ構成のコンセプト
・冒頭のリンク先に記載したように”最初のシナリオ”なので、プレイヤーキャラクターが出会って行動を共にする必然性を組み込む
・Dark War:Rebootedの世界観である「巨大な軍事的衝突により”秩序”が弱まり…」のくだり、混沌とした置かれた状況、活動を活発化させる勢力、「闇」との対峙……を表現
・スカーミッシュゲームであるので、特徴的な戦闘ルールを紹介
・キャラクター能力のバリエーション(射撃系、白兵戦系、魔法系)
・キャラクター勢力のバリエーション(NATO、民間人、ワルシャワ条約機構(WP)だがモンスターハンター)
・「紹介」を目的にしているので、キャラクターメイキングの時間はとらず、あらかじめ用意されたキャラクターでプレイする
紹介のためのシナリオとしては要素を盛り込み過ぎな気もしますが。
■背景
ワルシャワ条約機構軍の侵攻後、数日経った。両軍がぶつかり合い、戦線がどこかも判然としない。
西ドイツの町に、原隊からはぐれたアメリカ第7軍団の兵士と、撃墜された空軍のWSOが休息できる場所を探している。
そこには民間人が…会った際には明かされないが民間人は特別な使命を帯びている。
さらに数刻遅れて、KGBもやってくる。彼はブラックオプスであるが、正規軍の部隊が村にいるはずと考えてやってきた。
■おおよその展開
アメリカ陸軍ジャクソン軍曹とその部下、および空軍(撃墜されたF-4Gの火器管制士官)マシュー・ウォーターズ中尉は、休息できる場所を探し、行き当たった村を調査する。
どうやら20名程度のソ連軍の野営用に使われていたようだが、戦闘に使える機器、装備、弾薬は置かれていない。さらに、大きな裂け傷を持つ遺体、全身が焼けた遺体を発見する。村には、それより前に村に行きついた、民間人で自然調査員と名乗るイオン・サーニー(チェコ出身)が(3名の接近に気づき)家に隠れている。
アメリカ軍の3名は想像もつかないことでしたが、イオンは「闇」の活動の調査という使命を受けて活動しており、ウェアウルフによる傷、魔法による火傷であることに気づいています。
イオンがアメリカ人3名に、自分から姿を見せ、周囲の状況が危険なので警戒するよう話しているところに、ロシア製の軍用車両(GAZ-3151)が近寄る。
アメリカ軍の3名は、ウェアウルフやファイアーボールを信じようとはしないため、イオンが危険を伝えるのにも一苦労。
なお、イオンは(出自を明かしていませんが、チェコ出身のロマ。そのため)欧州の主要言語を話せる設定です。アレクセイはロシア語、英語を話す設定です。
降車した2名、アレクセイ・ミハイロフ中尉と部下に対し現状を説明し米ソ両車が戦闘しないように努める(魅力ロール2サクセス&カードによる追加1サクセスの3サクセス!)。
ソ連(軍服は他のソ連軍と異なる;後ほどわかるが、彼らはKGB所属のモンスターハンターチームである「ブラック・オプス」所属)側は、途中で拾って同乗させていた民間人エーリッヒを降車させ、共にいったん待つ。米軍は「闇」や「ウェアウルフ」など信じられず押し問答が続く。
プレイヤーキャラクター同士ではありますが、プレイヤーが自ら魅力ロールを提案したので認めました。
ソ連軍はKGBの「ブラック・オプス」であり、「闇」「ウェアウルフ」について知っています。
そのさなか、アレクセイ中尉の部下が撃たれる。村の外から近づいてきた人間(なぜかソ連軍の軍服を着ている、ただ、認識票を持っていないことが後で判明する)のAK-47で撃たれる。さらにゾンビ、次いで死体をゾンビとして蘇らせ、ファイアボールを撃つウィッチ、そのうえウェアウルフが襲ってくる。
ちょうど近い位置にいたアレクセイが、H&K MP5 SMGの掃射によりゾンビを一掃するが、その直後ウェアウルフに襲われ大きな傷を負う。アレクセイ中尉の部下はさらにAK-47で撃たれ倒れるが、エーリッヒの応急手当てにより一命をとりとめる。
さらに前衛(アレクセイ、ウォーターズ、ジャクソン、アレクセイの部下)と後衛(イオン、ジャクソンの部下)の間にも蘇ったゾンビは、イオンが防御魔法!を自身にかけて防ぎつつ、さらに攻撃呪文で反撃。
イオンは、その出自ゆえか、欧州の主要言語を話すことができるほか、魔法が使えます。
ジャクソン軍曹がゾンビを排除、ウォーターズ中尉は、ウェアウルフと戦うアレクセイ中尉を素早く支援。ピストルしか持っていないためダメージは与えられないが…
ウォーターズ中尉はイニシアティブが早く、先手をうって行動できたのです。
前衛は膠着状態が続くが、イオンの防御魔法で耐え、ジャクソンも到着しアレクセイとの共同射撃でついにウェアウルフを倒す。後衛は残ったゾンビをジャクソンの部下とイオンの魔法!で排除した。AK-47を撃っていた敵は、ウォーターズとアレクセイとで倒した。
倒されたこの敵も、ウィッチによってゾンビにされています…
ウィッチはファイアボールを放ち数人にダメージを与えるが、最後はジャクソン、ウォーターズ、アレクセイによって倒された。
……この日のセッションはここで終了。「紹介」のため、ここで終了する予定でしたが、プレイヤーからは継続の声が。続けるために次回の構想を練ることになりました。
■やってみての気づき
●プレイヤーキャラクターについて
・キャラクター独自の「細かい指示/状況説明のメモ」を、事前により多く用意すべきであった
・それでも、キャラの合流はプレイヤーのロールプレイ頼りになってしまった。シナリオ河での合流のサポートが不足していた(全員米軍、とかの設定の方が楽だった)
・キャラクターの行動の上で、「”それまでのキャラクターの経歴”からできること」をもっと早めに伝えてプレイヤーを支援すべきだったかもしれない(特に最初の「村の探索」)
・各キャラクターの「一般常識」を定めるうえでも、キャラクターシートには「経歴」「職歴」欄を作ったほうがよさそう。「言語」も!
●ゲーム時間について
・1戦闘あたり3時間要する。(両陣営6~7キャラ)
従って、「半日程度・1回のセッション」は、「ロールプレイ部分+戦闘1回」の作りになるのでは。
・とはいえ、せっかくプレイヤーが集まるのだからと、セッション時間を1日に延長すると、冗長になるきらいがある。ロールプレイ部分も戦闘部分も、世界を広げる(想像力をかきたてられる)ルール記述が少ないので、ゲームマスター、プレイヤー双方の負担が増す)。
●装備について
・装備品の使用限度を決めておく必要がある(ここをきちんとしておけば、サバイバル的シナリオもできる→それではTwilight:2000か?)
- 治療キット 3負傷まで
- 弾薬 指定がなければ初期6、ピストル(弾切れのルールは無いが)3
- 「サイコフォーカル」などのポーション系は、重量が無いので保持本数を明確にしておかないと…
●アドベンチャー/調査/探索パートについて
・ロールプレイ部分では「知性」の重要度が高くなる。何かにつけて「知性」を適用せざるを得ない(対人なら「魅力」が使えるが)。メリハリが無くなってくる…
・旧東西ドイツの地図が欲しい。あると便利。ただ、現在では入手が難しい●戦闘について
・ウェアウルフ1体だと、初期状態+10EPの自動火器2名で五分。3名なら圧倒できる感覚。
・”戦闘から排除”について取り決める必要がある どれか1種類のダイスがダメージで失われたら…
- 重要なキャラクター:次のラウンド終了までに隣接スクエアで別のキャラが”応急手当”(アクション、判定、特段の装備不要)を行わなければゲームから除去される
- そうでないキャラクター:戦闘不能となり、ゲームから直ちに除去される
・「白兵戦をしていないキャラに隣接したら移動停止」を失念していた(4.5)
・【重要】(4.16.4)を失念。白兵戦が始まると、白兵戦or離脱のどちらかのみ
・移動/走る/チャージについての記載が曖昧。取決めが必要
●そのほか
・(3.4項)経験点計算の方法は、実際には無理(ルールには、1回命中与えると1経験点と記載されているが管理できない)
・シーンの行動によってGMから与えられるボーナスダイスは、D4→D6にする(4面ダイスを使うと、GM用の4面ダイスが無くなってしまう。6面は所有ダイスが多いから)
この日は他にも以下のゲームをプレイしました。
■電車でGo!
ハウスルール「4枚持てる」を採用。これにより戦略性が増したと思います。通常のルールでは、単純な戦略で常に勝てていましたので。